スマホで立ち読み Vol.3
『トランプ「超★保守改革」~神と自由を取り戻す!』(3)

 「スマホで立ち読み」コーナーで取り上げる第3弾は、いま最も話題となっている新刊『トランプ「超★保守改革」~神と自由を取り戻す!』(世界日報社刊)です。

 物議を醸す言動ばかりが注目されるトランプ大統領ですが、米社会の左翼支配を打ち破り、宗教と家庭の復権を進めていることは、日本ではほとんど知られていません。12年間のワシントン取材歴を持つ著者が日本の歪んだトランプ像を覆します。

 というわけで、いま必読の一冊。今回は、5回にわたってスマホで立ち読みしていただきます。

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早川 俊行(世界日報編集員)・著

(世界日報社刊『トランプ「超★保守改革」~神と自由を取り戻す!』より)

★プロローグ
トランプはなぜ戦うのか

(3)「リベラル革命」の継承阻止
 大統領選の時点では、トランプ氏が明確な保守哲学を持った候補であるようには見えず、保守派エリート知識層の離反を招いた。それでも、草の根保守層がトランプ氏を熱烈に支持したのはなぜなのか。ヒントになるのは、トランプ氏の盟友ニュート・ギングリッチ元下院議長の分析である。ギングリッチ氏はトランプ氏の当選後に保守系有力シンクタンク、ヘリテージ財団で行った講演でこう指摘している。

 「トランプ氏は思想的、伝統的な保守派ではない。だが、過去100年間で最も反左翼の政治指導者となる可能性がある」

 つまり、草の根保守層がトランプ氏を評価したのは、左翼勢力と真っ向から戦うその姿勢だったのである。さらにギングリッチ氏は、トランプ氏ならロナルド・レーガン元大統領にさえできなかった左翼との戦いに勝利できるとも述べている。

 「1932年に(大統領に当選した民主党のフランクリン・D・)ルーズベルト氏とともに始まった84年間に及ぶ左翼の支配を終わらせる好機だと私は信じている。レーガン氏はそれを終わらせることができなかった。私もできなかった。今は本当にそれができるチャンスなのだ」

 結局、米国の有権者は、左翼勢力にハイジャックされた米国を取り戻すために、トランプ氏をホワイトハウスに送り込むという「賭け」に出たわけだ。国家の命運を懸けた米国民のギャンブルは、果たして成功したのかどうか。その答えを探るのが本書の目的である。

 「賭け」の結果ではっきり言えることが一つある。それは、トランプ氏が大統領選に勝利したことで、オバマ前大統領がヒラリー・クリントン氏に託そうとした「リベラル革命」の継承を阻止したことである。

 オバマ氏は在任中、側近たちに対し、医療保険制度改革(オバマケア)など自らが成し遂げた業績を1980年代の「レーガン革命」に匹敵すると自賛した上で、「レーガン革命はブッシュ(父)大統領を必要とした」と語っていた。レーガン氏の「保守革命」は、ブッシュ(父)共和党政権が続いたことでその業績が守られたように、オバマ氏も「リベラル革命」を米社会に定着させ、永続化させるには、民主党政権の継続が欠かせないことを認識していた。

 第3章で詳しく述べるが、世代も生い立ちも全く異なるオバマ氏とクリントン氏には、意外にも政治理念の根幹で決定的な共通点があった。共に若い頃、米国を漸進的に社会主義化していく理論を体系化したシカゴの極左活動家、故ソウル・アリンスキー氏の思想に傾倒していたことだ。従って、クリントン氏が当選していたら、米最高権力者のバトンはアリンスキー氏の弟子から弟子に引き継がれていたことになる。

 アリンスキー思想に染まった左派政治家が2代続けてホワイトハウスの主となるのを防いだことは、トランプ氏の紛れもない功績である。(次週に続く)

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