スマホで立ち読み Vol.3
『トランプ「超★保守改革」~神と自由を取り戻す!』(4)

 「スマホで立ち読み」コーナーで取り上げる第3弾は、いま最も話題となっている新刊『トランプ「超★保守改革」~神と自由を取り戻す!』(世界日報社刊)です。

 物議を醸す言動ばかりが注目されるトランプ大統領ですが、米社会の左翼支配を打ち破り、宗教と家庭の復権を進めていることは、日本ではほとんど知られていません。12年間のワシントン取材歴を持つ著者が日本の歪んだトランプ像を覆します。

 というわけで、いま必読の一冊。今回は、5回にわたってスマホで立ち読みしていただきます。

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早川 俊行(世界日報編集員)・著

(世界日報社刊『トランプ「超★保守改革」~神と自由を取り戻す!』より)

★プロローグ
トランプはなぜ戦うのか

(4)中国の脅威に立ち向かう
 トランプ氏の就任以来、その一挙手一投足が世界を揺さぶり続けているが、無秩序に世の中を騒がしているわけではない。常に何かと戦っているのだ。

 エスタブリッシュメントと呼ばれる米国のエリート層に対する反発がトランプ旋風を巻き起こす背景となったが、エスタブリッシュメントの基本的思考は現状維持だ。問題に直面した時は穏便な解決を目指すか、先送りをする。トランプ氏の思考はこれと真逆である。現状維持のために問題を先送りすることは許さない。問題を解決するためなら波風を立てることを厭わない。これが「トランプ流」であり、常に世間を騒がす理由である。

 「トランプ流」が特にはっきり表れているのが対中国政策だ。米国の歴代政権やエスタブリッシュメントは過去半世紀にわたり、摩擦回避を優先し、中国がもたらす問題に見て見ぬふりをしてきた。中国が今、国際秩序を露骨に脅かす強大なライバルとして台頭したのは、問題を先送りしてきたツケである。これに対し、トランプ氏はワシントンに蔓延していた現状維持のメンタリティーを打ち破り、中国の脅威に真剣に立ち向かっている。

 「過去の政権は中国の行動をほとんど無視していた。だが、その日々は終わりだ」

 マイク・ペンス米副大統領が2018年10月にワシントンの保守系シンクタンク、ハドソン研究所で行った対中政策演説は、経済・貿易から軍事、外交、テクノロジー、人権、プロパガンダに至るまで、あらゆる分野で中国の行動を徹底批判する強烈な内容だった。米中新冷戦の幕開けを告げる「号砲」と言っていいだろう。

 ペンス演説は、1983年にソ連を「悪の帝国」と呼んだレーガン演説を彷彿とさせる。レーガン氏はソ連の脅威に「対処」するだけにとどまらず、ソ連に「勝利」するという明確な決意を持っていた。トランプ政権も、中国との対決をこれ以上先送りすれば、取り返しのつかない事態になることをはっきり理解し、中国との覇権争いに勝ち抜く決意を固めている。

 中国新疆ウイグル自治区では100万人以上ともいわれるウイグル族が収容所に拘束されているが、これはウイグル族だけの悲劇と見るべきではない。トランプ氏に近い共和党のトム・コットン上院議員は「中国共産党に支配された国際秩序の憂慮すべき予兆だ」と指摘する。同自治区の現状は、中国が覇権を握った世界の縮図だというのである。

 共産党一党独裁体制の中国が米国に代わる世界の超大国となることは、人類の悪夢にほかならない。米国がトランプ政権の下で中国の野望を阻止するために立ち上がったことは、世界にとってこの上ない朗報である。(次週に続く)

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