家族の絆づくり 83
誰もが通過する「三つの試練」と、その乗り越え方

ナビゲーター:阿部 美樹

恩賜を前後に必ず試練

 「試練」について『原理講論』では、「神が人間に恩賜を賜ろうとするときには、その恩賜と前後して、サタンの訴えを防ぐための試練が必ず行われるのである」(402ページ)と説明されています。

 「試練が必ず行われる」のであれば、試練を避けるのではなく、受け入れ乗り越えるための心構えが必要です。
 試練は、乗り越えれば、神様の恵みを受けることになり、乗り越えられなければ人生の挫折となる分かれ道です。

 誰もが試練に直面すると、「愛の減少感」を感じる境地に追い込まれます。その時に「自己中心」の心になり、「過分なる欲望」を持ちやすい傾向があります。
 しかし、常に「神中心」の心を持ち、どんな状況に対しても「神様のみ意(こころ)を尋ね求める」姿勢が必要です。

 人生の中で直面する試練を大別すると次の三つになります。

三つの試練に持つべき心掛け

 第一の試練は、「困難・苦難」に直面した時です。
 その時は、悲観したり、落胆したり、諦めたりしやすくなります。また、不平不満の思いになり、誰かのせい、何かのせいにしたくなるものです。しかし、このような時ほど「甘受する心・感謝する心」を持って受け入れましょう。

 第二の試練は、「成功・恩恵」に直面した時です。
 成功と恩恵は幸せを実感する瞬間ですが、気を付けなければならない瞬間でもあります。
 なぜかというと、その時ほど傲慢になり、自慢ばかりして、周りの人を見下す可能性があります。また、有頂天になり、油断して怠惰な生活になることもあります。
 このような時ほど、「謙虚な心・向上心」を持ってさらに努力する姿勢が必要です。

 第三の試練は、「精誠・努力が実らなかった」時です。
 人は誰もが努力すればするほど、それが実ることを期待するものです。神様に精誠の条件をささげれば、願いが成就することを期待し、人に尽くせば相手から感謝やお礼の言葉が返ってくることを期待するものです。無意識に見返りを要求する心が湧いてくるのです。
 しかし、何も変わらない、反対に悪い結果が起こった場合、寂しくなり、怒りの思い、裁きの思いが湧いてくることでしょう。このような時ほど、「無私の心・不変の心」を持ってさらに精誠を尽くす姿勢が必要です。

 これらの三つの試練を乗り越えてこそ、神様の恩賜を賜ることができます。