家族の絆づくり 84
人間完成のための二つの条件

ナビゲーター:阿部 美樹

み言を信じて実践する

 『原理講論』は、人間の完成について簡潔に説明しています。

 「創造原理によれば、神の責任分担として創造された人間は、それ自身の責任分担として神から与えられたみ言を信じ実践するとき、初めて完成されるように創造されたのである」(『原理講論』p.216

 まさに、人間が「み言を信じて実践する」ことを通して完成するように、創造主である神は設計(創造)されたのです。

 これは、復帰原理の緒論で説明されている「信仰基台」のことでもあります。
 信仰基台には、「中心人物(誰が)」と「み言を守ること(何を)」と「成長期間(いつまで)」という三つの要素があります。

 その中で、最も重要なことは「み言を守る」ことであり、言い換えれば「み言を信じて実践する」ことです。み言といっても自分が選ぶ言葉ではなく、「神から与えられたみ言」を守ることです。

 旧約時代は旧約のみ言である「律法」を、新約時代は新約のみ言である「福音」を、成約時代は成約のみ言である「新しいみ言」を、神は与えました。
 今の時代における人間完成のための条件の一つは、神が真の父母様を通して与える「み言を信じて実践する」ことなのです。

創造目的を完成するための条件

 信仰基台の上に立てられるのが「実体基台」ですが、実体基台とは、一言で表現すれば「み言の実体になること」です。
 『原理講論』では、次のように説明しています。

 「…『信仰基台』を立てることができたならば、彼はその基台の上で神と一体となり、『実体基台』を造成することによって、創造本性を完成した、み言の『完成実体』となり得たはずであった」(『原理講論』p.278

 律法を信じて実践すれば「霊形体」が、福音を信じて実践すれば「生命体」が、新しいみ言を信じて実践すれば「生霊体」の実体が完成するようになっていました。ですから、神が願う(喜ぶ)言葉を信じて実践すれば神の実体となり、サタンが願う(喜ぶ)言葉を信じて実践すればサタンの実体になるということです。

 『原理講論』では、信仰基台と実体基台を「アダムが創造目的を完成するためには、二つの条件を立てなければならなかった」(『原理講論』p.277)と説明されているように、「二つの条件」は堕落前も堕落後も必要な普遍的な原理なのです。