家族の絆づくり 80
他人軸で生きる人、自分軸で生きる人

ナビゲーター:阿部 美樹

「誰が問題?」という犯人捜し

 何か問題に直面した時に、「問題は自分自身がつくり出したものである」という主体的な意識を持つことが大切です。

 一般的に「問題」というものは、「外」からやってくると考えます。
 「夫が…」「会社が…」「子供が…」「お金が…」と、自分以外の他人や状況に問題があるように見えます。

 ですから、「あなたが変わるべきだ」と他人と状況をコントロールしたくなります。このような姿勢は「他人軸」の生き方といえます。

 他人軸でいると、相手を責めたり、相手に要求したりすることになり、不安で苦しい気持ちを感じます。時には、自分は被害者であり、相手は加害者だと考えて攻撃的な姿勢になってしまう場合もあります。

「相手のせいなのか」と「私の責任なのか」の違い

 一方、「これは自分の人生だ」「自分が主人公だ」と、自分を軸とする生き方、考え方を「自分軸」といいます。

 自分軸で生きると、前向きな人生となり、能動的な姿勢となり、心も自由で創造的な発想ができます。

 客観的に見ても、「子供が起こした問題」「夫が起こした問題」だとしても、「私が問題に気付くためのスイッチを押してくれた存在に過ぎない」と考えることができます。
 その問題を乗り越えることで、自分が成長し、自分が魅力的になり、自分らしい人生を歩めるようになります。

 他人軸の生き方になっていると、問題が起きた時に「自分は悪くない」「相手が悪い」という解釈をして、問題解決を相手に任せます。
 相手に責任を預ける待ちの姿勢なので、相手の言動に振り回されたり、期待を裏切られたりすることもあり、イライラしたり、不安な心になったりしやすいものです。

 しかし、自分軸で生きると、「今、必要なことは何か」「何ができるか」と、主体的に問題を受け止め、自己の責任を果たそうとします。

 責任を持とうとする生き方、責任を果たそうとする生き方こそ、真の生き方です。