2019.07.31 17:00
家族の絆づくり 76
「自尊感情」の形成に親の影響がある
ナビゲーター:阿部 美樹
「人の目」を気にするのか、「天の目」を気にするのか
日本は「和」を大切にする文化なので、何事も周りの人に合わせようとする傾向があります。しかし、韓国人は反対で「アラソ(自己判断で)する」という言葉をよく使うように、主体的に判断することに価値をもって行動します。
この違いはどこから来るのでしょうか?
韓国は「ハヌル(天)思想」という「天の道理」を根源とする考え方を持っています。人の目を気にするよりも、天に恥ずかしくない生き方、天を恐れる生き方こそ、偉大な生き方であるという精神を持って、主体的な発想をします。
一方、日本は「八百万神(やおよろずのかみ)」に象徴されるように「集団主義的な宗教観」を持ち、特定の宗教というよりも無宗教で多様性を受け入れる方が好まれる傾向があります。ですから、天の道理の代わりに「社会の規則」を共通の約束事にする文化です。
「自然界の花」は全て美しい!
自尊感情が低くなる原因は、人と比較し過ぎることです。
周りの人よりも頭が良いのか、運動神経が良いのか、どこに就職したのか、幸せな家庭を築いているかなど、周りの人と比較対照して自分の価値を決定する傾向があります。
自分の欠点ばかりが気になる人は、周りの優秀な人ばかりが気になり、自尊感情はさらに低くなります。
しかし、自然界の美しい花々は、比較したとしても美しさの順番を付けることはできないように、人間の個性は唯一無二の尊い存在で順番を付けることはできません。
神様から見たら全てが最高傑作として尊く見えるはずです。
韓国の父母たちは、自分の子供にさまざまな問題があったとしても、子供を思う情が先立って「わが子が一番!」という心で接していきます。
しかし、日本の父母たちは、社会の評価から自分の子供を、理性的に、客観的に分析します。子供に対する期待もあるので、厳しい目で見つめ、厳しい評価をする場合も多いのでしょう。(続く)