家族の絆づくり 66
心配し過ぎるのは過干渉

ナビゲーター:阿部 美樹

子供を心配し過ぎてませんか?

 親は子供に対して、誕生の瞬間から成長の時々に、愛するが故に多くのことで心配します。

 子供の顔色が悪ければ「病気ではないか?」と心配し、公園で元気に遊んでいても「けがをしないだろうか?」と心配します。
 子供が成長し大人になったとしても、出掛ける時は「事故に遭わないだろうか?」と心配し、帰りが遅いと「何かトラブルに巻き込まれていないか?」と心配します。

 子供を守ってあげたいという美しい親心ですが、度が過ぎると子供に悪影響を与える可能性もあります。

 子供が幼い時は親が全てやってあげたことも、子供の成長とともに一緒にやるようにしたり、やらせて見守るようにしたり、できるまで待ってあげたりするなど、子供の成長とともに親の関わり方を変えなければなりません。
 関わり過ぎは、子供の自立を妨げたり、責任感を育む大切な機会を無駄にします。

不満と劣等感を持つ親が心配し過ぎる

 心配し過ぎる親の特徴は、人に対して「否定的」に見つめ、物事に対して「悲観的」に見つめる傾向があります。

 「できないかもしれない」「失敗するかもしれない」「悪いことが起こるかもしれない」と考えるなど、最悪ばかりをイメージします。
 それは親自身の心の中に、「自尊感情という誇り」が乏しかったり、「幸せというワクワク感」がないという課題があります。
 自分の人生に不満と劣等感が多い親ほど、子供を心配し過ぎる傾向があります。その心配の動機は、子供の幸せよりも、自分が安心したいという自己中心的な動機です。

 一方、心配され続けた子供の側からすれば、「信用されてない」という不快感が残ります。「あなたはできない人、やらない人、能力がない人、努力しない人…」という否定的なメッセージを受け続けていくので、子供も親と同じように自尊感情が低くなります。

 悪循環を繰り返さないためには、子供を過度に心配するよりも、信じて委ねることこそ、必要なことではないでしょうか。