2019.04.01 17:00
コラム・週刊Blessed Life 61
新しい元号の発表、日本よ、世界平和の主役たれ!
新海 一朗(コラムニスト)
新しい元号が発表されました。「令和(れいわ)」という元号の下、日本は新しい天皇を戴き、日本の繁栄と平和はもちろんのこと、世界平和に貢献する道を力強く歩んでいくことでしょう。
まずは、おめでとうという言葉で祝賀の意を表したいと思います。
元号と天皇という関係の中で、「天皇とは何か」という、その役割に関する根本的な問いが湧き上がってきます。
結論的に言えば、天皇は祭祀(さいし)王であり、最高の神官であるということです。
お隣の中国では、歴代の皇帝が中国を治めてきましたが、皇帝は専制王であり、覇王であり、絶対的な独裁者の顔を国民の前に示します。
日本の天皇は国民のために祈りをささげ、日本国民に奉仕する心をお持ちです。中国の皇帝は絶対専制主であり、天下万民全てが皇帝一族のものであるという所有意識をもって国民を治めます。
天皇は「姓」を持ちません。従って、「姓」で変わる王朝の変遷史(易姓革命)がありません。
中国の皇帝は「姓」を持っています。従って、「姓」で変わる王朝の変遷史を繰り返す事態が生じます。
例えば、漢王朝は劉一族が打ち立てたものであり、天下万民は全て劉一族のものであるという所有意識に基づいて、国家を私物化します。唐王朝は李一族が打ち立てたので、天下万民は全て李一族のものであるという意識によって、国家の私物化が行われます。
日本の天皇の場合、日本国土を全て私物化するというようなことはしません。国民が幸せに暮らせるようにと、民の安寧を祈られます。
政治は誰が執るのかと言えば、平安時代には藤原氏、鎌倉時代には源氏と北条氏、室町時代には足利氏、江戸時代には徳川氏、明治時代以降は全国から選挙で選ばれた議員たちと行政エリートたちが執政権を行使しています。
天皇は執政権を自ら行使せず、幕府や国会議員、官僚たちに委ねておられます。歴代の幕閣や大臣たちは天皇の存在を無視することなく、政治を執り行ってきました。それが基本です。
中国の易姓革命は、激しい権力闘争をその中に内包しています。前王朝の否定の上に新王朝を開くからです。
こうした歴史的事実を振り返り見ますと、中国よりも日本の方が無難なやり方で世界平和に貢献する資質を備えていると考えざるを得ません。
世界が混乱する中、日本が世界平和の大道を開く可能性がますます大きくなってきていると見てよいでしょう。