家族の絆づくり 58
肯定的発想で伸び伸び生きる

ナビゲーター:阿部 美樹

「べき論」を説くストレスメーカー
 心地よい生活を願いながら、ストレスが多くて気分が悪くなったり、落ち込んだりすることがあります。
 「ストレスを感じないようにしよう」「ストレスをためないようにしよう」と思ってもなかなか思いどおりにいきません。

 ストレスを感じている人の多くが、「〜すべきなのにできない」「〜すべきでないのにしてしまう」などの葛藤を自分に対してだけでなく、周りの人に対しても持っています。
 その葛藤は、わだかまりとなり、不満や要求や怒りにもなります。その縛られた不自由さを持ち続けると、本来の自分を見失って自由な発想や肯定的な考え方ができなくなります。笑顔でいたいのに、硬い表情となり、気分も悪くなります。

 このような葛藤を抱えながらも頑張っている人は、家族や周りの人に対しても同じように「〜すべきでしょう!」「〜すべきでないでしょう!」と、相手の幸せのために「べき論」を説くようになりますが、反対に互いのストレスは増加します。

素直に純粋に生きる自由
 あなたの身の回りに、ストレスを感じることなく、肯定的な発想をして、笑顔で伸び伸び生きる見本となる人はいらっしゃるでしょうか?

 「そのようなモデルとなる人は、なかなかいない」と言われる人もいるかもしれませんが、必ず身近にいます。

 その人は「赤ちゃん」です。赤ちゃんは、何度転んでも立ち上がるまで諦めることなく挑戦します。何十回失敗しても、できないことを失敗と思いません。できないからといって消極的になったり、悲観的になったりしません。

 人は生まれたばかりの時には誰もが純粋で、疑うことや自分と誰かを比較することもありません。人から笑われたらどうしようなどと考えるどころか、周りの人を笑わせる天才です。
 自然体の笑顔は周りに喜びを分け与え、笑顔を増やしていきます。赤ちゃんは独特のユーモアを持っています。

 「人が自分らしく自由に生きる」とは、赤ちゃんのように素直に純粋に生きることではないでしょうか。