家族の絆づくり 56
五感を使って表現しましょう

ナビゲーター:阿部 美樹

非言語をキャッチする五感
 コミュニケーションは、「言葉のキャッチボール」ともいわれますが、言葉以上に注目すべき大切なものがあることをご存じでしょうか?

 相手の言葉は、無意識に省略した表現になったり、思い込みでゆがんだ表現になったりすることが多くあります。

 米国の心理学者のメラビアン氏は、「コミュニケーションの割合は、言語7%・声の質38%・表情やボディランゲージ55%で行われている」と語っています。
 この比率は専門家の判断によって異なりますが、言葉以外の「非言語」の部分(相手の表情や動作、声のトーン、大きさなど)から、たくさんの情報をキャッチすることがコミュニケーションにとって必要だということです。

 相手を理解するためには、言葉を理解するための「聴覚」だけでなく、「視覚」や「身体感覚(触覚・臭覚・味覚)」の五感を使うことに意識を向けてみましょう。

あなたの「利き感覚」は何?
 人それぞれ「利き手」があるように、五感にも「利き感覚」があるのをご存じでしょうか?

 例えば、「海という言葉から何を連想しますか?」という質問に対する答えもさまざまですね。
 青い輝く海や鮮やかな夕日などを思い浮かべる人が「視覚感覚」が優れた人です。このような人は、映像やイメージ、図などの視覚的な要素を使って物事を捉える傾向があります。

 また、波の音やカモメの鳴き声などを連想した人は「聴覚感覚」が優れた人です。このような人は、音や言葉に敏感であり、数字のデータなどを重視して物事を捉える傾向があります。

 さらに、太陽の日差しや潮風の匂い、水の冷たさを連想した人は、「身体感覚」が優れた人です。このような人は、物事を判断する時も雰囲気や直感、あるいは直接触れてみることを大切にする傾向があります。

 このような感覚の違いによって、それぞれ言葉の使い方にも差が見られます。

 まずは、自分の利き感覚を理解し、相手の感覚を理解することによって親近感や信頼関係をスムーズにつくることができます。