家族の絆づくり 55
願い事があってもかなわない理由

ナビゲーター:阿部 美樹

願いを実現させる3段階
 万民誰もが願い事を持っていますが、願いがかないやすい人とそうでない人がいます。
 それは、願い事を「目標やゴールとして明確にしていない」からです。願い事は漠然と思っているだけでなく、明確に描く必要があります。

 願いを明確にして実現させていくための3段階を紹介します。

 第1段階は、願い事を「言葉」として表現することです。
 人生の幸不幸を左右するのは言葉の選択です。言葉は意識の方向を決定し、行動の動機となり、現実をも変化させる力があります。
 その時、気を付けるべきことは、その言葉を「肯定的な表現にする」ことです。

 「~しないようにしたい」のような否定的な表現ではなく、「~するようにしたい」「~になりたい」という表現です。

 「遅刻しないように」「叱られないように」「失敗しないように」という言葉は、反対に「遅刻」や「叱られる」ことや「失敗」に導くようになります。

 また、その願い事の主語は「私が」である必要があります。変えることができるのは自分の人生です。それを通して自分以外の人や事柄に影響を与えることはできますが、直接的に変えようとしてはいけません。

願いを具体的にイメージしていますか?
 第2段階は、願い事がかなった状態を「五感を使ってイメージ」することです。その場の情景(視覚)や聞こえる音(聴覚)、身体で感じていること(身体感覚)をイメージの中で体験します。

 脳は「現実」と「想像」を区別することができません。頭に思い描いているものが「想像」であろうと「現実」であろうと、同じ神経回路を使って処理され、各器官に指令が出されます。

 ですから、イメージするということは、脳にとって現実に体験していることと同じです。未来を現実のものとしてインプットする「未来の体験リハーサル」のようなものです。より具体的に、自由に想像を膨らませて、ワクワク感を味わうことが大切です。

 第3段階は、願い事を言葉とイメージで表現することを「繰り返す」ことです。勉強や仕事、スポーツなど、何事も成長や上達の秘訣は「繰り返し」です。

 「信仰とは、望んでいる事がらを確信し、まだ見ていない事実を確認することである」(へブル人への手紙 第11章1節)という聖句のように、事実を確認するまで信じ続ける継続が大切です。

 願い事を、言葉にして、イメージして、繰り返すことを実践してみましょう。