2019.01.22 22:00
幼児教育Q&A ~すぐに役立つ12のポイント(11)
アプリで読む光言社書籍シリーズ第5弾、『幼児教育Q&A~すぐに役立つ12のポイント』を毎週火曜日配信(予定)でお届けしています。
林敏子・著 林三男・監修
11.楽しいお絵描き
【Q】
休みの日、家でお絵描(か)きをさせることがありますが、どのように指導したらいいか分かりません。幼児期における「絵画教育」について、ポイントを教えてください。
【A】
家庭においては、安価なスケッチブックを買い与えて、子供が楽しみながら自由に、たくさん「なぐり描き」ができるようにさせてください。
描かれているものが、本物に似ていなくても一向にかまいません。感じた世界を自分の創造性と想像力で描いているのかどうか、子供のもつ魂の純粋さ、美しさが表現されているかどうかが大切なのです。そして描かれた絵に対しては必ず褒めてあげてください。
また親子で、スケッチブックとクレヨンを持って外に出掛けて写生をすることもよいと思います。動物園に行ったら、動物の絵を親子で描いてみるのです。絵日記にして描いてみるのもよいのです。
くわがたが好きな子供であれば、自由に、どんどん、くわがたを描かせてあげるのです。
そして本物のくわがたに触れるときに、その精巧さを指摘しながら、「神様ってすごいね」とか「偉大だね」と一言言ってあげることで神様の創造性に触れることができ、子供は心の中で「本当にそうだな」と感じます。それは立派な宗教教育にもなるのです。
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幼児期の子供、特に年少(3、4歳)の幼児は、まだ「形」というものがうまく描けません。ですから、まっすぐな線を描くつもりでも曲がったり、円を描くつもりでもゆがんでしまうことが当たり前なのです。丸いりんごを四角に描いてしまっても、おかしいことではありません。
幼児期においては、対象物に似るように上手に描くことに価値があるのではなく、子供が感じるままに創造性と想像力にあふれて描き、楽しく自由に描かれていることが大切なのです。ですから、たとえ見た目は下手でも、自分の表現として描かれていることが重要なのです。
そのために、最初は子供に自由に「なぐり描き」をさせるようにするのです。その次の段階として、対象物の色や形などの特徴をとらえながら、丁寧に描くことを教えます。
光の子園(あるいは子供が通っている幼稚園や保育園等)で子供が描いた絵を父母が受け取ったときに、うまく描かれていないのを見て、子供に「何、この絵!」と絶対に言わないようにしてください。絵の中の線の描き方や色の使い方を見て、子供の個性や創造性が表れていることを発見してあげて、必ず褒めてほしいと思います。
光の子園では、星組(年少)の最初の絵画教育で「色の仲間」を教えます。「緑」の仲間(黄緑、緑、深緑の3色)、「青」の仲間(水色、青、群青、藍色、明るい紫、紫の6色)、そして「赤」の仲間(赤、朱色、橙〈だいだい〉色、もも色の4色)です。家庭で教える際、24色か25色のクレヨンのセットを購入すれば、色の仲間に登場する13色が説明できます。
例えば「緑」の仲間だったら、「黄緑、緑、深緑」の3色のクレヨンを出しておいて、1色ずつ、色の仲間を確認しながら、実際に色を塗ってみます。
最初に、画用紙に黄色のクレヨンで3等分の線を引き、三つの部屋を作ります。次に、黄緑のクレヨンを見せ、「この色を黄緑と言います」と説明し、「黄緑の部屋を塗ってみましょう」と親が一つの部屋を黄緑に塗って見せ、続いて子供たちが自分で黄緑の部屋を塗ります。
同様に、緑、深緑を塗ります。そうすると子供たちは、「緑」は1色だけではなく、緑の仲間の色があるのだなということが、だんだんと分かってきます。以前は25色のクレヨンのセットの中に「灰緑」がありましたので、画用紙に4等分の線(十文字に4分割する線)を引き、緑の次に灰緑を塗っていました。灰緑のあるクレヨンのセットを使用する家庭では、この色も使ってみてください。
同様に黄色のクレヨンで画用紙を4等分して「赤」の仲間を塗り分け、6等分して「青」の仲間を教えます。
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このような色の仲間を理解した上で、それぞれの色と色を重ねることで新しい色を生み出すことを教えます。色や形(丸、三角、四角)の特徴をとらえて表現できるようにするのです。下書きには黄色のクレヨンを使い、その上にいろいろな色のクレヨンを塗っていきます。
ニワトリの絵であれば、鳥の羽の色や形、ふわふわした感覚に触れながら色と形を丁寧に描かせます。そして、「鳥の羽はどうなっているのだろう。だれがつくったのだろう」と神様の創造性に触れながら描かせることで、鳥の羽の素晴らしさが分かるのです。
絵を描くことが得意な子は、絵画だけでなく、いろいろなことに関心を示し、意欲や責任感をもち、根気のある子になっていきます。さまざまな絵が描けるようになったら、人物画にも挑戦してみてください。人物画では、頭の上2センチメートルは、空けて描きます。人物の顔をよく見て、形の感覚をつかみます。また顔や手、首、髪には、色の仲間を使い、明暗をつけてください。髪の毛は、髪の毛全体を塗りつぶすのではなく、1本1本描くつもりでやるとよいでしょう。
光の子園では、毎年、園児たちが描いた絵の中から選んだ絵を「世界児童画展」に応募し、多数が入選していますが、子供らしく素直に描かれ、生命力や表現力があふれた絵が入選しています。
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次回は、「信仰生活の基礎的な習慣を身につける」をお届けします。