2019.01.15 22:00
幼児教育Q&A ~すぐに役立つ12のポイント(10)
アプリで読む光言社書籍シリーズ第5弾、『幼児教育Q&A~すぐに役立つ12のポイント』を毎週火曜日配信(予定)でお届けしています。
林敏子・著 林三男・監修
10.喜びと感謝で体育遊び
【Q】
5歳の男児の父親です。うちの子は、少し歩いただけですぐに「おんぶ」と言い出します。たくましい子供に育てたいのですが、幼児期における「体育教育」について、ポイントを教えてください。
【A】
親子が一緒になっての散歩、キャッチボールやサッカーなどのボール遊び、縄跳び、山登り、公園の遊具を使った遊び、家の中での相撲など、身近な環境の中でさまざまな体育的な遊びを実践することができます。
公園で散歩するときにも、手をつないで歩いたり、走ったり、おんぶをしたりして親子の絆(きずな)を深め、一緒になって体を動かすことで喜びを分かち合うことができます。喜びながら体を動かすことが体育教育の原点となります。
愛で満たされたという実感をもたせることで、心身共に成長していきます。それは子供にとっても生涯の宝になりますし、親にとっても同様です。
幼児期においては、特別にスポーツを習わせなくても、生活そのものが体を鍛える場になっているのです。二足歩行、走ること、立ったり座ったりすること、階段の上り下りなど、日常的に体を動かし、心の命令どおりに体を動かすことができるようになることが、体育教育の基本になるのです。
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人間は心と体から成っています。心が主体で体が対象ですから、心の教育を土台として、体の教育(体育)が行われるべきです。心の教育がしっかりと成されていなければ、体の教育が成り立ちません。その心の教育に当たるのが、これまでにも繰り返し述べてきたように、心情教育(愛と喜びの教育)、規範教育(しつけ教育)です。
たくましい子供に育てるためには、まず心の教育をすべきです。「影のない正午定着的な人生」「悪いことをしない。正しい人生」……。心を鍛えると同時に、体を鍛えるのです。心も体もたくましい人間を育てるのが、私たちの目標です。
統一思想の「教育論」では、この心情教育と規範教育を基盤として、主管教育である知識教育(知育)、技術教育(技育)、体育が並行して行われるべきであるとあります。ですから体育教育は、その土台となるべき心情教育、規範教育とバランス良く行うことが大切です。
特に幼児期の子供には、愛情で満たしてあげることが前提となります。心情教育が幼児教育の基本です。愛情で満たされた子供は心が開放されているので、元気に動き回り、喜びながら前向きに努力するようになります。
ところが、愛情で満たされていなければ、積極的に体を動かそうとしません。体育も知育や技育と同様に、心の教育が主体なのです。
体育教育も、心情教育を土台として取り組まなければ、単にスポーツの技を磨くための訓練や、体を鍛えるための鍛錬で終わってしまいます。
突き詰めてみると、体育教育の本質的な目的は、神様の子供として「神様の似姿となる」ことであり、「喜びと感動の人生を送るための体をつくること」なのです。このことを忘れないようにしてください。
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このような心情教育、愛情教育の実践において、親子の関係に勝るものはありません。それは心情教育の原点となるものです。体育教育という点から見ても、親子でそれを実践することが、いかに大切なことかが分かります。
幼児期から水泳や野球、卓球、剣道、ゴルフなどのスポーツの英才教育に意識が向く傾向が見られますが、それらは前述した体育教育の基本の延長線上にあるものです。
最後に、親子で体育遊びをしたあとには、お祈りをするとよいと思います。
「ああ楽しかった。ありがとうございます」という喜びと感謝の気持ちを神様に捧げるのです。そのようにして、体育遊びを通しても、子供の心を神様につなげることができます。
体育教育は、どうしても「これができるようになった」と技術や才能の育成というように「形」に走りやすいのですが、神様によって生かされている喜び、歩いたり走ったりできること、健康な体であること、神様が愛をもって自分たちを守ってくださることに感謝することを教えてあげるのです。
体育教育の原点は、無形なる神様が、有形なる人間を「神の似姿」として創造されたところにあります。人間の体の動きのすべてが神様を感じさせるものとなれば、どんなに素晴らしいことでしょうか。
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次回は、「楽しいお絵描(か)き」をお届けします。