2018.12.25 22:00
幼児教育Q&A ~すぐに役立つ12のポイント(7)
アプリで読む光言社書籍シリーズ第5弾、『幼児教育Q&A~すぐに役立つ12のポイント』を毎週火曜日配信(予定)でお届けしています。
林敏子・著 林三男・監修
7.言葉を吸収する時期
【Q】
6歳の女児と4歳の男児の母親です。下の子は上の子のときに比べて、言葉がうまく出てきません。幼児に「言語教育」をする際のポイントを教えてください。
【A】
聖書に、神様は「言」によってすべての被造世界をつくられたとあります。当然、私たち人間も、神様の「言」によって創造され、生命が与えられているのです。ですから、言語教育は、神様を中心としてなされなければならないと思います。
言語の教育は、子供の生命が胎内に宿った瞬間から始まり、父母が胎中にいる子女に語りかけることで始まっているのです。その言葉には愛情が込められますから、子女は、父母の愛を、その言葉を通して感じ取るのです。
誕生したあとも、子女は父母の言葉から最も影響を受けます。このように父母は、子女に対して自分が言葉を教える最初の教師であることを、ぜひ認識していただきたいと思います。
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次に、幼少期の子女に言葉を教える際のポイントを紹介します。第1は、単語を明瞭(めいりょう)に発音し、はっきりとした言葉で、主語や述語のセンテンス(文)を正しく教えることです。
例えば、幼児が目の前のコップを求める際に、「これ」とか「あれ」で済ませるのではなく、「コップを取ってください」と、一つ一つの単語や、主語と述語をきちんと教えるのです。
第2に、幼児言葉は、決して使わないことです。例えば、犬のことを「わんわん」、足のことを「あんよ」と言うのではなく、「犬」や「足」と、正しい言葉を使うのです。
第3に、幼児期の子供であっても、一人の人間として、人格的に接する心情で、言葉を掛けてあげることです。子供だからといって、ぞんざいに扱うような接し方はいけませんね。
子供の脳が発達して、急に言葉を求めるようになり、言葉を吸収する時期があります。それは、おおむね、2歳から3歳にかけての時期です。
子供が「これ何?」「どうして?」と、しつこく聞いてくる時期ですが、実は、その時期が、言語教育の最大のチャンスなのです。子供が、新しい言葉を知ることに最高の喜びを感じる時期なのです。
その時期にこそ、はっきりとした発音と言語で、繰り返し、繰り返し、丁寧に教えてあげるのです。親としては「しつこい」と思いがちですが、子供の中で知る喜びが満たされて満足するまで教えるとよいのです。子供の心が満たされれば、しつこく聞くことを自然にやめるようになります。
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「喜び」という心の状態は、心が開放されている状態です。心が開放されていなければ、何を教えようとしても、幼児の心には入っていきません。
逆に、その時期に、言葉を十分に教えられていないと、次のような問題が起きたりします。
例えば、子供自身が嫌がるような場面に遭遇したときや、微妙な心の世界を相手に伝えたいときなど、正確な言葉で伝えることができなくて、無意味にかみついたり、引っかいたり、暴力的な行動で表現する場合も出てきてしまいます。
ですから、この幼児期に、丁寧に、愛情を込めて、言語を教えることが大切なのです。それが、ひらがなやカタカナ、漢字などの国語能力の発達につながることはもちろんのこと、算数や科学など、その後のさまざまな分野における学習能力の発達度に、雲泥の差が出てきます。
「言語教育」はとても重要で、「学問の要となる教育」と言っても過言ではありません。
子供が「どうして?」と聞いてくるときに、「今、忙しいから、あとでね」とか「うるさい」とか言ったり、テレビやビデオを見せて子守りをさせてしまうと、そのような能力が開花しないまま、大切な時期を過ごしてしまうことになりかねません。
もし、2、3歳の時に投入することができず、子供が4、5歳、それ以上に成長したとしても、その子供に対して、父母は同じような心情で、言語教育に投入してあげてください。
その際、少し高度なレベルになると思いますが、子供が満足するまで物語を読んであげたり、読み聞かせをしたりするとよいと思います。あきらかに言語未発達のお子さんに関しては、専門的なカウンセラーの面接を受けられることをお勧めします。
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次回は、「数を教える」をお届けします。