家族の絆づくり 46
あいさつが家族の関係性を決める

ナビゲーター:阿部 美樹

あいさつこそ関係性の基礎
 家庭や学校、職場、地域社会など、どこにおいても人間関係の基本は「あいさつ」です。
 人と人との出会いとともに交わされるのがあいさつであり、関係性を維持したり深めたりするためにもあいさつが大切です。

 野球には「素振り」や「キャッチボール」という基本があり、その基本練習の繰り返しこそ、一流選手になる土台となります。同じように、あいさつを欠かさず繰り返すことこそ、人間性が磨かれ、信頼関係が築かれる基礎になります。

 反対に、人間関係の中で互いに心が擦れ違うとあいさつがないがしろになり、心に葛藤が生じるとあいさつができなくなります。

 まさに、あいさつは人間関係のバロメータと言えます。家族関係が難しくなった時こそ、意識して大きな声であいさつすることこそ、関係修復の第一歩であり、継続すれば良好な関係になっていくことでしょう。

三つの工夫で効果的なあいさつを
 家庭生活の中にはさまざまな場面でのあいさつがあります。起床・就寝時のあいさつ、出勤・帰宅時のあいさつ、食事の時のあいさつなどの基本的なあいさつから、「ありがとう」「お疲れさま」「ご苦労さま」「気を付けて」「頑張って」「良かったね」など、慰労や励ましのあいさつがあります。短いあいさつ言葉でも繰り返し実践しましょう。

 そこで、効果的なあいさつの工夫を三つ紹介します。

 第一の工夫は、「自分から先にあいさつすること」です。
 あいさつする場面では、相手よりも先に、自分のほうから声を掛けましょう。一般的には、先にあいさつをした方が、より積極的で、よりおもてなしの心が高い人であると判断します。先に与える、先に尽くす第一歩があいさつです。

 第二の工夫は、「相手の名前を呼んであいさつすること」です。
 漠然とあいさつするのではなく、子供の名前、妻の名前、夫の名前を呼びながらあいさつすると、その人のためだけの思いやりの行為なので、相手の心に心地よく届きます。

 第三の工夫は、「褒め言葉とともにあいさつすること」です。誰もが認められること、褒められることを嫌がる人はいません。ワンポイントの褒め言葉をプレゼントする気持ちであいさつすれば、あいさつする方もされた方も肯定的な心になります。