家族の絆づくり 43
家族に対して「感謝していますか?」「愛していますか?」

ナビゲーター:阿部 美樹

「父の日」「母の日」のあいさつ言葉
 「父の日」「母の日」には、日本も韓国も親への感謝の気持ちを込めてカーネーションを渡しますが、その時に言う言葉が違います。

 日本は「お父さん、お母さん、ありがとう!」と言い、韓国は「アボジ、オモニ、サランへヨ!(お父さん、お母さん、愛しています!)」と言います。

 韓国の文化は主体の立場に立って愛を表現する文化であり、日本の文化は対象の立場に立って美を表現する文化とも言えます。
 主体的な表現の多い韓国語に比べて、日本語は対象的な表現が多くあります。

 例えば「頂きます!」は「もらう」の謙譲語の「頂く」を使い、受身の立場で表現します。「ごちそうさま」もごちそうになったことに対する感謝の気持ちを表すお礼のあいさつ言葉です。このように「感謝」の気持ちを重んじてきた日本の文化のように、身近な家族に対して、「ありがとう」「感謝しています」「おかげさまで」という言葉を使う習慣は信頼関係を深めることでしょう。

あなたは妻(夫)を愛していますか?
 家族関係について、今一度、考えてみましょう。

 男性に質問です。
 「あなたは妻に感謝していますか?」と質問されたら、何と答えますか? さらに、「あなたは妻を愛していますか?」と質問したらどうでしょうか。
 どちらもちゅうちょせず、「はい!」と答えられたでしょうか。もしかしたら、感謝はしているけど、愛しているかと問われて、ちゅうちょした人もいるかもしれません。

 日本では、夫婦間で互いに「感謝しています」「ありがとう」と伝え合うことはできても、「愛しています」という言葉を言うのは、恥ずかしくてなかなか表現できない人が多いのではないでしょうか。

 恥ずかしいかどうかが問題ではなく、どれだけ愛する行動ができているかが問題です。家族に対して「感謝する」という心で受け入れるだけでなく、「愛する」「尽くす」「喜ばせる」「幸せにする」といった、与える愛の表現をすることが重要です。

 愛を言葉や表情で表現すること、スキンシップやプレゼント、奉仕で表現することで、愛が育まれます。