家族の絆づくり 42
感謝する人が陥りやすい課題

ナビゲーター:阿部 美樹

どんな状況でも感謝の平常心を保つ
 幸せを実現するためには、努力することが必要ですが、どのような心を持って努力するかが問題です。

 大切なのは、「感謝の心」を持つことです。順調に努力が実ったり、成功したり、恩恵を受けたりするような、良い結果だったら誰もが簡単に感謝の心を持つことができます。しかし現実は、悪い結果や願わない現実と直面することが多くあります。人生は順調に行くことよりも、そうでない場合の方が多いものです。

 不条理・不合理・不都合なことに直面した時の心の持ち方で、その後の人生が大きく左右されます。凡人は不満や落胆、怒りの思いを持ちやすいことでしょうが、そんな時ほど「感謝の心」を持っていきましょう。どんな時でも感謝の心を変わらずに持ち続ける「平常心」が大切です。

周りから感謝される人に
 感謝の心を持つ人が陥りやすい課題があります。
 それは、周りの人に対しても無意識に感謝の心を持つことを要求してしまうということです。

 自分自身が感謝の心で過ごす努力をしている人は、周りの人にも不条理・不合理・不都合な状況でも、「感謝すべきだ。感謝する努力が必要だ。やればできるはず…」と考えがちです。人は誰もが自分を基準にして物事を見つめ、判断し、評価しがちだからです。
 しかし、人それぞれ、心の世界は違います。人によっては苦労をし過ぎて、心にトラウマを抱えて、容易には感謝したり、信じたりできない人もいます。反対に、愛されて育ち、心が安定していて、容易に感謝できる人もいます。

 大切なことは、自分が感謝するとともに、周りの人が感謝できるように助けること、心の苦しみを理解すること、感謝を分かち合えるように愛を投入していくことです。そうすれば、感謝する人になるだけでなく、周囲からも感謝される人になることでしょう。