2025.03.27 12:00
ほぼ5分で読める勝共理論 74
スパイ防止法②
特定秘密保護法制定の背景
編集部編
アルジェリア人質事件
日本では2013年12月に、特定秘密保護法(特定秘密の保護に関する法律)という法律ができました。
これは「スパイ防止法」ではないのか、という質問を受けることがあります。
今回は、まずこの法律について説明します。
実はこの法律を作る直前に、アルジェリア人質事件という事件が起きました。
アフリカに天然ガスの工場があって日本人も働いていたのですが、そこを現地のテロ組織が襲ったのです。そして日本人も人質になって、結局は7人の日本人全員が死亡しました。
この時、日本は現地の情報をなんとかして集めようとしました。何しろ現地には日本人がほとんどいないので、外国から情報をもらうしかありません。
ところが、ほとんどの国が日本に情報をあげたら誰に盗まれるか分からないといって、情報をくれなかったのです。それで日本の対応は、かなり後手に回ってしまいました。
それで安倍政権は、何とかしようと考えました。
今や日本人は世界の隅々で活動しています。このままではその人たちを守ることができません。
しかしスパイ防止法を作ると、野党やマスコミが大反対します。それでスパイ防止法を作るのは諦めて、特定秘密保護法を作ることにしました。
どういうことかというと、海外のスパイを取り締まることは相変わらずできないのですが、国家機密を漏らした公務員は厳しく罰することにしたのです。
最大で懲役10年、罰金1000万円です。
重要な情報はかなりの金額で売れますから、罰金50万円とかいわれてもほとんど制裁になりません。
これで何とか、海外からさまざまな情報をもらえるようになりました。世界で活躍する日本人を守るために、とても大事な法律ができたのです。
やはりスパイ防止法の制定が必要
ところがこの法律を作る時にも、野党やマスコミは大反対をしました。
その理由というのは、「国家機密というのがどんどん増えて、政府にとって都合の悪い情報は何でもかんでも秘密になってしまう。やがて、日本も軍国主義になる」というものでした。
特に日本共産党は、「この法律を作ろうとしているのはかつての侵略戦争の時の特高警察の孫とか親戚が多いではないか。だから問題だ」といって批判しました。
実際には、この法律が作られる前にも国家機密はあったのです。秘密とされる情報はあったのですが、仮に漏らしてもその刑罰が軽かったのです。
国家機密の大半は、自衛隊の基地や兵器に関する写真です。つまり、どこにどんな兵器が配備されていて、どれだけの能力があるかが知られてしまうと、日本の安全が危機にさらされるのです。
特定秘密保護法とは、要はその国家機密を漏らした公務員がこれまでに比べてかなり重い罰則を受けますよ、という法律なのです。
それで「軍国主義になる」というのは、本当に勘違いです。
言っている本人も分かっているのでしょう。単に過激な支持層の人たちへのアピールのために反対していたのだと思います。
しかし特定秘密保護法は制定されたのですが、肝心のスパイ防止法はできませんでした。
これは大きな問題です。
特定秘密保護法を制定したこと自体は大きく評価できるのですが、今後は、やはりスパイ防止法の制定が必要なのです。
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