世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

奇妙な中国の「ウクライナ」平和維持部隊の参加提案

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、3月17日から23日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 米露首脳が電話会談(3月18日)。ケネディ元大統領暗殺に関する8万ページの文書公開へ(18日)。イスラエル、ガザ攻撃230人以上死亡(18日)。ゼレンスキー氏、エネルギー施設への攻撃停止の米露合意を「支持」(18日)。米大統領とウクライナ大統領が電話会談(19日)。在日米軍の強化中止検討か、米CNN報道(19日)。米大統領、教育省の規模大幅縮小へ(20日)。ロシア高官が金正恩(キム・ジョンウン)氏と会談と、ロシア報道(21日)。米特使、ウクライナが大統領選の実施に「合意」と語る(21日)。中国がウクライナ平和維持部隊に参加する意向であることが判明(22日)、などです。

 中国が、奇妙な提言をEU(欧州連合)に対して行っていることが分かりました。
 背景にあるのはやはり、米トランプ政権の戦略です。習近平政権は、ウクライナ戦争後、米国の対中強硬政策が厳しくなることを知っているのです。

 まず、奇妙な動きについて説明します。
 ドイツ紙のウェルト(電子版)は3月22日、ウクライナ停戦を視野に英仏が実現を目指す平和維持部隊に、中国が参加を検討している模様だと報じたのです。EU外交筋の話です。

 同紙によれば、ブリュッセルに駐在する中国外交官が、EU側に中国の部隊参加について打診してきたといいます。
 その狙いはどこにあるのでしょうか。

 一部のEU外交筋は、「中国が参加すれば、ロシアが平和維持部隊創設を受け入れる可能性が高まるだろう」と発言したといいます。

 英仏が主導する平和維持部隊創設計画は、ウクライナ戦争の停戦実現後、ウクライナに展開してロシアの再攻撃を抑止する狙いがあります。

 ロシアは北大西洋条約機構(NATO)加盟国の部隊派遣は受け入れないという立場を主張してきましたので、平和維持部隊創設はより緩和した部隊として構想されたものなのです。

 結論的に言えば、この中国の提案は拒否すべきです。
 これまで中国は、ウクライナ侵略を続けるロシアを「支援」してきました。米欧中心の世界秩序の転換という共通目的を前提としているのです。

 しかし中国の真の国家戦略は、中国が米国を凌駕(りょうが)する力を持つことによって世界秩序の頂点に立つことです。
 これは、毛沢東以来一貫したものであり、「100年計画」といわれています。

 それを見抜き、断固対抗するというのがトランプ政権なのです。
 トランプ氏の戦略は中国を最大の脅威、最大の敵と見てのそれなのです。

 トランプ政権の見方は、ロシアは小悪に過ぎない。中国こそ巨悪だと考えます。
 ロシアの侵略行為は部分的な秩序破壊、それも帝政ロシアからソ連時代を経て延々と構築してきたロシア独自の勢力圏に対するNATOの東進と干渉への反撃の一環と見ています。

 しかし中国は、全世界を自国の勢力圏に置き、イデオロギーと文化の面から徹底的に塗り替えようと挑戦していると見ているのです。
 建国の父・毛沢東がかつて掲げた「中国人は地球を管理する」という野望への挑戦です。

 トランプ政権は、一日も早くロシアとウクライナの戦争を終わらせたいと考えています。この動きに混乱を起こし、阻止しようとしているといえるでしょう。
 中国の戦略は、米国を孤立させることです。ヨーロッパからの、そして日本からの、です。

 中国の平和維持部隊参加はあってはならないことです。混乱させるのみです。米欧関係を離間させる狙いです。
 この提案は、中国の中・長期戦略に基づく工作であると見るべきなのです。



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