スマホで立ち読み Vol.36
『こども礼拝』6

林三男・著

(光言社・刊『こども礼拝 親と子のための説教集』〈200549日初版発行より)

 スマホで立ち読み第36弾、『こども礼拝』を毎週日曜日(予定)にお届けします。
 「光の子園」での礼拝説教をまとめた、幼児から小学生低学年向きの説教集です。小学生礼拝のテキストとしても最適です!

※本文中の呼称・用語は、全て掲載当時の名称です。

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5. ノアと3人の子供たち

〈ポイント〉
①疑問に思うこと、信じられないことがあったとしても、神様に祈り、尋ねることが大切である。
②神様を愛し、神様の仕事をしているお父さんを信じ、お父さん、お母さんを敬愛する子供となっていく。

〈聖書:創世記第9章参照〉

セム、ハム、ヤペテは、お父さんを理解できなかった
 前の礼拝は、ノアのお話でした。ノアには3人の男の子、セム、ハム、ヤペテがいました。きょうは、「ノアと3人の子供たち」についてお話ししましょう。

 ノアは、ずっとみ言(ことば)を守り通したので、約束を絶対に守る人だということがはっきり分かりました。ノアについてきた家族たちも、ノアと心を合わせて頑張ってきたので、この家族ならば、二度と神様との約束を破らず神の国をつくっていくだろうと神様は思いました。それは、一番最初にアダムが生まれた時と同じぐらいの喜びでした。

 さて、この3人の子供、セム、ハム、ヤペテは小さい時から、お父さんのノアが神様とお話ししたり、神様にお祈りしたりするのを見て育ちました。そして、お父さんが自分たちをも愛しているのがよく分かりました。特に箱舟(はこぶね)を造りながら、ひたすら神のみ言を守り、迫害にも耐えていくお父さんの姿に、感動し、尊敬していました。ですからお父さんの言葉は、神様の言葉だと思っていました。

▲ぶどう畑で働くセム、ハム、ヤペテ

 箱舟から出たノアは、農夫になってぶどう畑を作りました。セム、ハム、ヤペテは、よくお手伝いをしました。ある日、お父さんが、ぶどうから作ったぶどう酒を飲んで酔っぱらってしまいました。とても暑かったので着物を脱(ぬ)いで、天幕の中で裸になって寝てしまいました。畑から帰ってきた、2番目の子供ハムは、酔って裸で寝ているお父さんを見てびっくりしました。尊敬していたお父さんが裸で寝ているなんて、ハムには、考えられないことでした。「恥(は)ずかしい」と思いました。そして、外にいるセムとヤペテを呼んで言いました。「ねえ、見て、お父さんが裸で寝ているよ。恥ずかしい格好だね」と3人で話したのです。そしてセムとヤペテは着物をとって、お父さんの体にかけました。その時顔をそむけてお父さんの体を見ませんでした。神様を愛し、いつも正しいことを行っていたお父さんが、裸で寝ていたので、いつもと違った姿にがっかりしてしまったのです。小さい時から見ていたお父さんの、神様に祈っている姿とか、神様の言葉を信じて一生懸命に箱舟を造っている姿などすっかり忘れてしまったのです。ここに、セム、ハム、ヤペテの間違いがありました。

▲後ろを向いて、ノアに着物をかけるセム

お父さんを理解し、尊敬する者となっていく
 ノアは神様に祝福された人です。どんな姿をしていても、ノアの心は神を愛することにおいて、全く変わっていませんでした。皆さんは、人を見る時に着ている着物を見て、きれいな着物を着ている人が良い人、汚(よご)れた着物を着た人が悪い人というような見方をしますか? また、昨日まで仲良く遊んでいた人が急に遊ばなくなったのを見て、理由も聞かず、「もう仲間に入れてあげない」というふうにしますか? それには必ず理由とか訳とかがあるはずですね。ノアの時もそうです。何か理由があったに違いありません。

 ハムはたとえ、ノアが裸になって寝ているのを自分では良くないことだと思ったとしても、あの箱舟の時のように、何か深い訳があるに違いないと思ってみることが必要でした。分からないならば、神様に祈って聞いてみるべきでした。神と共に生きてきたノアの姿を見つめ、ハム自らも神様を信じ祈ってきたのですから、一度、神様に尋ねてみると良かったのです。神様がなさる業(わざ)は、箱舟を造る時のように人間には考えられないことがあるからです。さらに、お父さんを信じ尊敬してきたのですから、何も分からなかったとしても「ああ、ぼくのお父さんは、今までも正しいことをしてきたので、信じて見ていよう」と考えれば、必ず後でその理由を知ることもできたはずです。こうして、ハムの間違いは、神の国を造って、みんな仲良く暮らすことができる日を楽しみにしていた神様を、悲しませることになってしまいました。

 皆さんにも、立派なお父さんがいるでしょう。ノアと同じように、神様のお仕事を一生懸命にやっているお父さんたちです。そういう、お父さんの言われることをよく聞いていきましょう。そして、“僕のお父さん”“私のお父さん”は、立派な人ですと言えるお友達になっていきましょう。

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 次回は、「バベルの塔」をお届けします。



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