2025.03.16 13:00
スマホで立ち読み Vol.36
『こども礼拝』5
林三男・著
スマホで立ち読み第36弾、『こども礼拝』を毎週日曜日(予定)にお届けします。
「光の子園」での礼拝説教をまとめた、幼児から小学生低学年向きの説教集です。小学生礼拝のテキストとしても最適です!
※本文中の呼称・用語は、全て掲載当時の名称です。
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4. ノアと箱舟
〈ポイント〉
①神様の命令に従順に従って、「箱舟(はこぶね)をつくりなさい」といわれたみ言(ことば)を守り通したノアの信仰を知る。
②人が見ていなくても神様は見ていらっしゃることを知り、正しいことを勇気をもって行うこと。
ノアは、神様のみ言を守り通した義人(ぎじん)である
今日は「ノアと箱舟」の話をしましょう。前の礼拝でカインとアベルのお話をしました。カインがアベルを殺してしまいましたが、その後、アダムとエバからセツという人が生まれました。
そして、そのセツから、子供が生まれ、さらに子供が生まれるようになりました。とても長い年月が流れましたが、悪いことを行う人が、全地にあふれるようになって、神様の悲しむところとなってしまいました。ケンカをする人、人の物を盗む人、悪口を言う人など、自分のことしか考えない人ばかりになっていたのでした。これは、神様の願いではありませんでした。神様は、アダムとエバが誕生した時、エデンの園で仲良く暮らすことを考えられました。それができなかったので、アベルやセツの時にその願いが成されることを願われましたが、だんだん悪い人間が増えていったのです。
そこで神様は、人間を造ったことを悔(く)いて、心を痛められました。すべての人を滅ぼしてしまおうと決心されたのでした。しかし、その中でノアという人だけが神様の目に留まりました。
ノアは義人といわれました。人が見ていてもいなくても、正しいことをする人でした。神様の前に偽りのない人で、いつも正しいことを行っていました。神様にとって、そのことはどんなにうれしいことだったでしょう。神様はノアを呼んで「わたしは洪水(こうずい)を起こして、人と万物をすべて滅ぼしてしまおう。あなたは、いとすぎの木で箱舟を造りなさい」と、おっしゃいました。ノアは神様の命じられたことを「ハイ」と素直に聞きました。
さて、山の頂上に箱舟を造り始めたノアを見て周りの人々は笑いました。舟は海に浮かぶものですが、山の上に舟を造っていたことを、それもとてつもない大きい箱舟だったので、ノアは頭がおかしくなったのではないか、とからかわれました。ノアは神様が洪水を起こされることを人々に話しました。「今までやっていた悪いことを反省して神様を喜ばせる者となりましょう!」と訴えました。しかし、だれ1人として耳を傾ける人はいませんでした。
神様からたった一回だけ、箱舟についてのみ言を聞いたノアでしたが、なんと100年以上もそのみ言を守り続け、箱舟を造り上げたのでした。その間にはノアをからかう者、また悪い遊びに引きずりこもうとする者、じゃまをする者、いたずらをする者などがいっぱいいました。神様はたった一回だけことばを下さっただけでした。だからといって、放っておかれた神様ではありません。ノアが勝利してくれることをずっと願い、守り続けてこられた親なる神様でした。
皆さんのために、見えないところで、皆さんのお父さん、お母さんがどんなにお祈りしてくださっていることでしょうか。一緒にいなくても、力がわき、勇気がわいて頑張ることができるのは、お父さん、お母さん、神様の守りと導きがあるからですね。ノアもそのように、神様が自分といつも共にいてくださることを感じていました。だから、いじ悪をされても神様の心が分かりましたから「ああ、これは神様が長い間、神はいないと言われ続け、悲しまれてきたことだ。自分だけではない。もっと悲しい思いをされたのが神様である」と知って、感謝してすべてを受け止めました。
神様は、生きているものを二度と滅ぼさないと約束された
そして、「自分だけは神様を裏切らない。正しいことを最後までやりぬく心をもとう。人が見ていなくても神は見ている」ということを強く思って、100年以上も変わらない心をもち続けたのでした。神様は、このような人が1人欲しかったのです。それは、最初のアダムに願われましたが、失敗して、やっとノアがそれを成し遂げてくれたので、神様は本当に喜ばれました。
とうとう、箱舟が完成しました。ノアが100年以上も神様のみ言を守り続けたので「あなたと家族とはみな箱舟に入りなさい。わたしの前に正しい人であるとわたしは認めたからである」と、言われました。神様がおっしゃったように、ノアと家族、そして、動物たちが箱舟の中に入りました。「40日40夜、地に雨を降らせて、わたしの造ったすべての生き物を、地のおもてからぬぐい去ります」と、神様はおっしゃいました。ノアと、ノアの家族、動物たちが箱舟に入って7日後、雨が降り出し、洪水が起こりました。ノアが600歳の時でした。40日40夜雨が降り続いて、高い山も全部水びたしになり、人も生き物もすべて滅んでしまいました。
やっと雨がやみ、150日たって箱舟はアララテ山にとどまりました。水がかわいたかどうか鳩を3回放ったところ、3度目の鳩は帰ってきませんでした。きっと、とどまることのできるかわいた地を見つけたのでしょう。ノアが箱舟のドアを開けてみると、地はかわいていました。神様は、「箱舟を出なさい。すべての生き物が地の上に増え広がるようにしなさい」と、おっしゃいました。ノアは箱舟を出たあと、神様のために祭壇をつくり、感謝して礼拝しました。すると、神様が「わたしはもう二度とすべての生きたものを滅ぼさない。生めよ、ふえよ、地に満ちよ」と、ノアを祝福されました。さらに、雲の中に虹を置いて、これが、その約束のしるしであると言われました。
皆さんも、ノアのように、神様のことばを守り、正しいことを勇気をもって行う人になりましょう。
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次回は、「ノアと3人の子供たち」をお届けします。