2025.03.09 13:00
スマホで立ち読み Vol.36
『こども礼拝』4
林三男・著
スマホで立ち読み第36弾、『こども礼拝』を毎週日曜日(予定)にお届けします。
「光の子園」での礼拝説教をまとめた、幼児から小学生低学年向きの説教集です。小学生礼拝のテキストとしても最適です!
※本文中の呼称・用語は、全て掲載当時の名称です。
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3. カインとアベル
〈ポイント〉
①神様の前に供え物をする時は、真心を込めてすることを知る。
②いつも神様が見ていらっしゃることを知って、感謝の心を忘れないようにする。
③兄弟姉妹、友達と仲良くすることが神様の喜びであり、願いである。
〈聖書:創世記第4章参照〉
カインとアベルは、神様に供え物を捧げた
今日は、アダムとエバから生まれてきたカインとアベルのお話をしましょう。アダムとエバは、神様の愛を受けて大きく成長しました。ところが、ある日、2人は神様との約束を破ってしまいました。神様が言われたみ言(ことば)を守らなかったのです。2人は神様の心を悲しませ、神様と一緒に住むことができなくなり、エデンの園から追い出されてしまいました。そして、アダムとエバは、サタンの悪い心と、神様の良い心の二つの心をもつようになったのです。それは神様にとって、胸がはりさけんばかりの悲しみでした。親である神様は、すぐに救ってあげたいと思いました。しばらくして、2人の子供が生まれました。カインとアベルです。
堕落して神様ともサタンとも相対するアダムを、二つに分けた立場が、カインとアベルです。神様の願いは、この2人が兄弟として仲良くすることで、2人とも神様の子供として救われることでした。お兄さんのカインは、土を耕(たがや)す者、つまりお百姓さんになりました。弟のアベルは、羊を飼う者、つまり羊飼いになりました。
ある日、神様がカインとアベルに言われました。「お供え物をしなさい」と。神様は、アベルとカインが、心を込めて供え物をしてくれることを願っていらっしゃいました。カインは自分が作っていた野菜を神様の前にお供えしましたが、自分の供え物だけを、まず受け取ってほしいと願って、カインなりに心を尽くしてお供えをしました。アベルのほうは、自分が大切に育ててきた羊の中で、一番良いものを選び、生まれて間もない、かわいい小羊と最も肥えた良いものを、神様の前にお供えしました。すると、神様は、アベルの供え物を喜んでとられましたが、カインの供え物はとられませんでした。
なぜ、神様はアベルの供え物だけを喜ばれたのでしょうか。目に見える形(供え物)はどちらも立派なものでした。実は、その時のカインの立場は、より神様から愛される弟のアベルを、神様と同じ立場に立って愛し、アベルを通じて神様の前に出ていかなければならなかったのです。アベルは神様を愛する人でした。いつも神様に感謝し、人が見ていなくても、神様が見ていると信じて、何事にも真心(まごころ)を込めて、羊を育てました。羊の群れを追いながら、神様の導きにいつも感謝し、祈りました。ですから、「お供え物をしなさい」と言われた時、「どうしたら、神様に喜んで頂けるだろうか」と考えました。「ありがとうございます」という感謝の気持ちで羊たちの中で一番良い大切なものをお供えしたのです。カインは、真心を込めて最良の小羊をお供えしているアベルの信仰を見て、素直な気持ちで受けとめ、神様と同じ立場に立って弟のアベルを愛さなくてはならなかったのです。カインは、その時、どうしたでしょう。カインは、アベルの供え物を神様が喜ばれたのを見てたいへん怒りました。「どうして、アベルだけが神様に愛されるんだ。ずるい!」と思いました。
それから、弟のアベルがねたましくなり、憎くなり、2人の仲は悪くなっていきました。そして、とうとう、カインはアベルを野原に呼び出して、殺してしまったのです。人間が誕生して、初めての殺人、兄弟を殺してしまうという、いたましい事件が起こってしまったのです。本来、兄弟というのは、心が通じ合い、仲が良いものなのに、兄が弟を殺すという大変重い罪を犯してしまったのです。神様は、どれほど悲しまれたことでしょう。兄弟が一つになってほしいという願いをもって、祈るような心情で、2人を見つめておられたのです。
兄弟姉妹が仲良くすることが神様の願いである
カインは、どうしたら良かったのでしょうか。アベルは弟でしたが、神様の心を良く知っていました。だから、供え物については、兄のカインが、弟のアベルにどのように供えれば良いかを尋ねれば良かったのです。「神様の前にお供え物をするにはどうしたら良いでしょうか」と尋ねれば良かったのです。ところが、アベルに尋ねることをしないで、ただアベルのほうが自分よりも愛されている、好かれているということを知った時、カインはそれをねたましく思い、アベルを憎んで殺してしまったのです。
神様の悲しみは、いかばかりであったでしょうか。神様は、神様を愛する心をもった、神の子を生み増やしたいと願われました。そして、その悲しみの中から、もう1人の人が、アダムとエバから生まれました。それがセツです。セツから神の国をつくる人が生み増えていきました。皆さんのよく知っているノアとかアブラハムが、生まれてくるようになるのです。
今日は、カインとアベルのお話をしました。神様の前に供え物をする時は、心を込めてしましょう。そして、神様を自分よりも愛して大切にするお友達がいれば、そのお友達のようになりましょう。
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次回は、「ノアと箱舟」をお届けします。