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スマホで立ち読み Vol.36
『こども礼拝』3

林三男・著

(光言社・刊『こども礼拝 親と子のための説教集』〈200549日初版発行より)

 スマホで立ち読み第36弾、『こども礼拝』を毎週日曜日(予定)にお届けします。
 「光の子園」での礼拝説教をまとめた、幼児から小学生低学年向きの説教集です。小学生礼拝のテキストとしても最適です!

※本文中の呼称・用語は、全て掲載当時の名称です。

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2. アダムとエバの創造

〈ポイント〉
①神様は、私たち一人一人を愛しておられる親なる神である。
②アダム(男の子)とエバ(女の子)に対する神様の願いを知る。

〈聖書:創世記第1章~2章参照〉

人間は神の子として誕生した
 今日のお話は「アダムとエバの創造」です。神様は、天と地を創造され、最後に人間を創造されました。最初に創造された人間のことを「アダムとエバ」といいます。

 アダムとエバが誕生したのは、地球上で一番古い文明が興った地の一つ、メソポタミアという所です。そこは、チグリス川、ユーフラテス川という大きな二つの川が流れていて、その流域は肥えた土地になっていました。神様がエデンの園として人間のために選ばれた地は、メソポタミア地方のことだったのです。エデンという言葉はヘブライ語で「楽しみ」という意味です。

▲メソポタミア地方

 聖書に「主なる神は土のちりで人を造り、命の息をその鼻に吹きいれられた」とありますが、これは人間が心と体をもって生まれたということです。アダムとエバは、神の子として生まれました。人間によく似たオランウータン、ゴリラ、チンパンジーなど、その姿(すがた)、格好(かっこう)を考えてみると非常に人間に近いですね。でも、人間と動物とは全く違う点があります。それを考えてみましょう。

 まず、人間はまっすぐに立つことができます。地の上にまっすぐ立つことができるのは人間だけで、動物園にいるオランウータン、チンパンジー、ゴリラなどは腰のところが曲がっていて、絶対にまっすぐ立つことはできません。人間だけが前を向いてまっすぐに立つことができるのです。

▲人間と動物の違い

 次に、2本の足でまっすぐに歩くことができるということです。これも動物にはできません。今までに恐竜(きょうりゅう)とか、大きくて強い動物がたくさんいましたが、2本足で歩いても、まっすぐな姿勢で歩いた動物はいませんでした。まっすぐに立って歩くということは、最高の姿なのです。それは神様の姿でもあるからです。それができるのは人間だけです。だから、体をくねくねさせて歩いたり、座っていても、あっちこっちへ動いてフラフラしている人は本当の人間の姿ではありませんね。

 今度は心を考えてみましょう。人間であることの第一の特徴(とくちょう)は、人間だけが神様を知ることができるということです。人間だけが手を組んで神様の前にお祈りすることができます。お祈りをするということは、神様とお話をするということです。動物が物を食べたりする姿は、人間にそっくりかもしれませんが、神様と話し合うことができるのは人間だけであるということです。

 人間であることの二つめの特徴は“言葉”を話すということです。自分の心は目に見えないけれども、言葉を通して相手に自分の思っていることを伝えることができます。皆さんは生まれた時から、お父さん、お母さんの話す言葉を聞いて、言葉を学んできました。しかし、動物は鳴いたりほえたり、うなったりするけれども、言葉を話すことはありません。動物園のパンダやクマが話しているのを見たことはないでしょう。

 人間であることの三つめの特徴は、「芸術性がある」ということです。それは、絵を描いたり、歌ったり、ピアノを弾いたりすることができるということです。これも、動物にはできないことですね。心をこめて歌ったり、ピアノを弾いたりすると本当に心がうれしくなったり、慰められたりします。人間は芸術性をもって相手を喜ばせることができます。それから、人間には物を創造するという特徴もあります。

神様は、人間11人を愛しておられる親なる神である
 このように、人間は神の子として誕生しましたが、動物とは全く違っていることを知りました。神様は造ったすべてのものを見られたところ“はなはだ良かった”と言われました。それは“本当に良かった”と感動されたということです。神様は人間を創造されて最高に喜ばれたということです。皆さんもお父さん、お母さんから生まれました。生まれてきた皆さんを見て“本当に良かった”と感動したお父さん、お母さんです。それは、お父さん、お母さんが限りなく皆さんを愛しているということです。さらに、そのことを考えると、神様は私たち11人を限りなく愛していらっしゃる親であるということです。

 親なる神様は、人間に「海の魚(うお)と、空の鳥と、地に動くすべての生き物とを治めよ」と言われました。神様が創造されたすべての物を人間に与えるということです。エデンの園には、いろいろな草花が咲き、いろいろな動物がすむようになりました。そこは、川の近くなので、土地が肥えていて、いろいろな植物が育ちました。神様は、「見て美しく、食べるに良いすべての木を土からはえさせ、更(さら)に園の中央に命の木と、善悪を知る木とをはえさせられた」とあります。木というのは、まっすぐに立つことのできる人間を表しています。つまり、命の木とは生命あふれる人間であるし、善悪を知る木というのは、善と悪をはっきり知ることのできる人間を意味しています。ですから神様は、アダムとエバに対して、愛と生命にあふれる人間、善悪がはっきり分かり、正しいこと(善)を行うことのできる人間になるように願われていたことが分かります。男の子アダムは神様の息子、女の子エバは神様の娘として、大きく成長してほしいことを神様は願われました。

 人間は神の子であることをよく知って、一日も早く私たちの周りがエデンの園、つまり、喜びと楽しみが満ちあふれる神の国になるよう、お祈りし、努力していきましょう。

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 次回は、「カインとアベル」をお届けします。



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