2025.03.30 13:00
スマホで立ち読み Vol.36
『こども礼拝』7
林三男・著
スマホで立ち読み第36弾、『こども礼拝』を毎週日曜日(予定)にお届けします。
「光の子園」での礼拝説教をまとめた、幼児から小学生低学年向きの説教集です。小学生礼拝のテキストとしても最適です!
※本文中の呼称・用語は、全て掲載当時の名称です。
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6. バベルの塔
〈ポイント〉
①バベルの塔は、神に不信仰をした象徴の塔である。
②神様は、一つになっていた言語をバラバラにして、悪の心が通じ合わない方法をとられた。しかし、神様の本当の願いは、世界の言葉を一つにして、神様を中心に人々の心が通じ合うようにしていくことである。
〈聖書:創世記第10章~11章参照〉
人間は傲慢(ごうまん)な思いになって、天に届かせるような高いバベルの塔を建てようとした
今日は、「バベルの塔」のお話をしましょう。ノアには、セム、ハム、ヤペテの3人の子供がいました。その3人から子供や孫が次々と生まれて、たくさんの人々が地上に住むようになりました。セムから生まれた人たちはグループを作り、ハムから生まれた人たちもグループを作り、ヤペテから生まれた人たちもグループを作って別々の所に分かれて住んでいました。けれども、話す言葉は一つでした。
ハムのグループの中にニムロデという人がいました。狩りがとても上手で強い人でしたので、たくさんの人々がニムロデに従いました。皆から、とても力ある人と思われていました。ニムロデは町を造っていきました。泥とわらをこねて、レンガを作ることを知った人々は、家を建てて町を大きくしていきました。ニムロデは多くの人々にこんな呼び掛けをしました。「さあ、町と塔を建てて、その頂を天に届かせよう。そして、我々は名を上げて、全地のおもてに散るのを免れよう」と。
人間は力をもち、強くなると、神様の導きや、神様が共におられることを忘れ、全部自分の力でやったんだ、と思うようになるのです。傲慢になるのです。そこで、てっぺんが天に届くほどの大きな塔を建てようとしたのでした。「自分の力を誇ろう。神様の力より、自分の力のほうが強いことを皆に示すんだ。自分のほうが偉いんだ!」と、そんな悪い心をもって人々に呼び掛けたのでした。
これを見た神様はどうだったでしょう。悲しみと怒りでいっぱいでした。その塔は、人間の悪い心のあらわれであるからです。「これでは、洪水の前と同じ悪い人間になってしまう。人間がこれ以上傲慢になったり、勝手なことをしてはいけない」と神様は言われました。「下って行って、彼らの言葉を乱し、互いに言葉が通じないようにしよう」。その途端、今まで一つの言葉でお互いに分かり合っていた人々は、急に何を言っているのか分からなくなりました。塔を建てるのにも、「レンガを運んでくれ」という言葉が通じないのです。全く仕事はできません。働いていたみんなの手は止まりました。塔を建てることができなくなってしまいました。人々は言葉の通じる者同士が、それぞれグループを作って、様々な所へ散っていきました。ただ、散らかったレンガの山だけが残りました。
神様の願いは、皆が同じ言葉を話して仲良くすることである
傲慢な思いで高い塔を建てようとしたので、神様が、全地の言葉を乱されたのでした。その結果、世界中の人々の話す言葉はバラバラになりました。「うれしい」という気持ちを表すにも、国が違えば言葉が違うのです。言葉が違えば自分の言いたいことを知ってもらうことができないのです。これは、本当に悲しいことです。このことは、神様の本当の願いではありません。神様は人間を再び救い出すために、バベルの塔をつぶされたのです。悪いことが広がらないために言葉をバラバラにせざるを得なかったのです。神様の願いは、すべての人々が神様の心を知り、神様のことを一番大切に思って仲良く暮らせるように、皆が同じ一つの言葉を使って暮らせるようになることでした。6000年間、神様はバラバラになった言葉を聞きながら悲しみの心でいらっしゃいます。親(神様)と子供(人間)が一つの言葉で話せないことは、本当に悲しいことです。
どうすれば、神様が再び喜んでくださるのでしょうか。それは、世界中の人々が一つの言葉で話すようになることです。一つの言葉を使い、神様に通じていかなければなりません。世界の人々が一日も早く、一つの言葉で話すことのできる時が来ることを祈りながら、神様を喜ばせる子供になるために、一生懸命に頑張りましょう。
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次回は、「神に召されたアブラハム」をお届けします。