2025.03.19 22:00
内村鑑三と咸錫憲 15
西洋文明と東洋文明が出合う
魚谷 俊輔
韓民族選民大叙事詩修練会において、内村鑑三が近代日本の偉大なキリスト教福音主義者として紹介され、その思想が弟子である咸錫憲(ハム・ソクホン)に引き継がれていったと説明された。
咸錫憲は文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁が若き日に通われた五山学校で教師を務めた人物だ。そこで内村鑑三から咸錫憲に至る思想の流れを追いながらシリーズで解説したい。
今回は、内村鑑三、咸錫憲、文鮮明総裁が西洋と東洋の関係をどのように捉えていたのかを分析したい。
内村鑑三は「文明西進説」に基づき、アジアで最初に近代化された日本が西洋と東洋の懸け橋になって洋の東西を統一する重要な使命があると考えた。
彼は日本の使命を、東洋の代弁者となり、西洋の先ぶれとなって東洋と西洋を和解させ、世界文明の大きな二つの流れを統合することにあると見ていた。
これが内村鑑三の「日本の天職」という概念である。
咸錫憲は『意味から見た韓国歴史』の中で、東洋と西洋は対立関係にあるものの、この二つが別れたのはやがて一つになるためであると語っている。
「東洋の瞑想的であるのに対して西洋は活動的であり、東洋は綜合を好むのに対して西洋は分析を好む。…東洋心と西洋心は互いに正反対のように見える。けれどもそれは偶然に意味なくしてそうなったとは言えない」(『意味から見た韓国歴史』、56ページ)
「東洋、西洋の対立は、今や意義ある、より高いものをもたらす機会をつくることができるということだ」(同、57ページ)
「東洋・西洋が互いに分かれたのは、互いに助け合い高いところへ昇るためである。ちょうど二本の足が互いに別に動くゆえに前に進むように、東洋は精神を受け持ち、西洋は物質を受けもった」(同、57ページ)
「現代は西洋文明の弊害が極に達した時代である。今東洋はそのお返しとして西洋を救うときである」(同、57ページ)
文鮮明総裁は、2007年9月23日に語られた「神様のみ旨から見た環太平洋時代の史観Ⅰ─アメリカを中心とするUNと自由世界の方向─」というメッセージの中で、人類歴史が世界四大河川地域から始まり、ギリシャ、ローマ、イギリス、アメリカと移動してきたことを説明した上で、以下のように語っている。
「天の摂理は今、アメリカ大陸を経てイギリスと同じ立場である日本列島において島嶼(とうしょ)文明の花を咲かせ、人類の救世主であり、再臨のメシヤとして顕現された真の父母の祖国、韓半島で結実すべき宿命的瞬間を迎えています」
「地球星を一周回ってきた人類文明史の発展は、ついに太平洋圏に到着しました。人類歴史は、今から環太平洋圏を中心として、完成、完結すべき摂理的時点に到達したのです」
これまでキリスト教を中心として世界を主導してきた西洋文明が、東洋文明と出合うことによって、より高い次元に飛躍すべき時が来たという点で三者は一致している。