2025.03.14 17:00
青少年事情と教育を考える 287
警察庁がオンラインゲームに注意喚起
ナビゲーター:中田 孝誠
今年2月、ミャンマーにある特殊詐欺グループの拠点に6000人以上の外国人が閉じ込められ、詐欺に加担させられていたことが明らかになりました。
外国人の中には日本人の高校生もいたというニュースに、驚いた人も多かったのではないでしょうか。
高校生は日本人の男とオンラインゲームを通じて知り合い、タイを経由してミャンマーの拠点に連れ去られたといいます。
この事件の後、警察庁はオンラインゲームへの注意を呼びかけています(「子供が犯罪に巻き込まれるきっかけとなるオンラインゲームに関する注意喚起」)。
警察庁はこの中で、オンラインゲーム上のリスクとして保護者に知ってほしいことを次の五つにまとめています。
(1)小学生など年少の利用者も被害に遭っている。
(2)ほとんどのオンラインゲームに「ボイスチャット」や「メッセージ交換」の機能が備わっており、匿名・不特定の者とも簡単にやりとりができる。
(3)協力してゲームを行うことを通じて、見知らぬ者にも「仲間意識」を持ちやすい(同じチームでプレイして「仲間意識」を強め、子供の信頼を得る)。
(4)ゲーム内における高価な「アイテム」の授与等の甘言を用いられ、被疑者の言うことに従ってしまう(有料のアイテムをプレゼントすることで子供の信頼を得る)。
(5)ゲームの上級者に対する「憧れ」の感情を利用される(「ゲームの上手な優しい人物」を演じて子供の信頼を得る)。
対策として保護者には、「ペアレンタルコントロールの活用」による適切な管理と「家庭でのルール作り」(個人情報や不適切なメッセージを他人に送らない、ゲーム内で知り合った人と安易に連絡先を交換したり実際に会ったりしない、少しでも不安を感じたら相談する)について、子供と話し合ってほしいと呼びかけています。
もちろん、いずれも大切なことです。ただ、対策を実行するのは家庭の親です。
上記の保護者への呼びかけは、言い換えれば「ゲーム依存」になることを予防する策です。
ゲーム依存は、ゲームを長時間行って自分で止めることもできなくなり、日常生活に支障を来すような状態に陥ることです。
国内で初めてインターネット・ゲーム依存の専門診療を始めた樋口進医師(久里浜医療センター)によると、専門外来にやって来る人は、ほぼ100%がオンラインゲームの依存だといいます(東洋経済ONLINE2023年1月22日)。
樋口医師は、依存を予防するためにスマートフォンの使用時間を見直すことや、親が責任を持って物事の善しあしを子供に伝えることなど親子のコミュニケーションが重要だと語っています。
また、ゲーム依存の子の場合、両親の仲が悪いことが多いため、両親が意見を調整し、同じ情報を子供に発信することが大切だといいます(同)。
親子関係はもちろんですが、夫婦関係が良いことが、子供を守るために何より重要だというわけです。