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【B-Life『祝福家庭』コーナー】
『祝福家庭』101号(2021年夏季号
夫婦で楽しく取り組む妊活 2
妊娠の基礎知識(前)

家庭カウンセラー 内田由喜

「妊娠成立」のプロセス
 人間の生命はどのように誕生し、この世に生み出されるのでしょうか。受精の瞬間から誕生までの仕組みは、実に巧妙で神秘的です。

 子宮は洋梨を逆さまにしたような形をしていて、妊娠してないときは鶏の卵くらいの大きさです。子宮の左右には、卵巣と細い腕のような卵管がついています。また、これらをそれぞれ定位置に固定する靱帯(じんたい)や、栄養やホルモンを届ける血管と共に骨盤の中に収まっています。ここが妊娠の舞台です。

 妊娠が成立するためには、「精子」と「卵子」がタイミングよく出合い、「受精」して子宮内に「着床」しなくてはなりません。着床が成立した段階で「妊娠成立」となります。

①排卵
 女性の体内では、性ホルモンの働きによって卵巣の中でいくつかの卵子のもとが成熟し、そのうち一つだけが卵巣から飛び出します。これを「排卵」といいます。

 排卵した卵子は、自分で動くことができません。排卵後は卵管采が動き始め、それに続く卵管の動きが活発になって卵子を取り込むのです。そして卵管のやや膨れたところ(卵管膨大部)で精子と出合うと「受精卵」となり、育っていきます。

②射精
 男性は、性ホルモンの働きによって精巣で精子が作られ、精巣上体に蓄えられます。体に吸収される精子もありますが、そのほかの精子は赤ちゃんになる力(妊孕性〔にんようせい〕)や動く力をつけます。

 精子には、卵子の壁を溶かす酵素、運動エネルギーの供給源であるミトコンドリア、遺伝子の情報を持つ染色体の3つが搭載されています。いろいろな刺激を受けることで精子が精管を通り、ペニスの中にある尿管から外へ出ます。これを「射精」と言い、初めて射精することを「精通」と言います。精子が精管を通っている間に、前立腺液や精嚢〔せいのう〕液が混ざって精液となります。

 射精をするときは、精子が卵子にたどり着きやすいようにペニスを子宮の入り口近くまで入れます。精子は1回の射精で2億個ほど放出され、グループごとに流れの穏やかなところで休憩したり勇ましく遡ったりしながら、卵管で待つ卵子を目指して泳ぐのです。

③受精
 卵子にたどり着いた精子には、卵子の周りのバリアを溶かすという大きな仕事が待っています。一つの精子が卵子に突入すると、ほかの精子は入ることができなくなります。この段階を「受精」と言います。

 卵子と出合った精子は尻尾のようなところが取れ、精子が持っている23本の染色体と卵子が持っている23本の染色体が一つになり、新しい「いのち」が始まるのです。

④細胞分裂
 受精卵は細胞分裂を繰り返しながら、卵管の中を子宮に向かって移動します。2細胞期、4細胞期を経て、たくさんの細胞の塊である「桑実胚〔そうじつはい〕」になります。

 桑実胚はさらに細胞分裂を繰り返し、分化して、表面を構成する「栄養膜」と、内部の細胞の塊である「内部細胞塊」に分かれます。内部細胞塊が分裂を繰り返して「胎児」になっていくのです。受精卵はこのように細胞分裂を繰り返しながら1週間かけて子宮にたどり着きます。

⑤着床
 子宮の中では受精卵を育てる、ふかふかな内膜が準備され、万端整っています。そこに、移動してきた受精卵が埋もれていきます。これを「着床」と言い、着床することで「妊娠成立」となるのです。

 精子と卵子が出合ってから4週間、着床してから3週間、「月経が来ないな」と思い始めて2週間たつと、約5ミリほどの小さな赤ちゃんに育っています。

 最終月経の初日を0週0日と数えるので、この時期はすでに妊娠6週目です。小さいとはいえ、受精したときは見えるか見えないかほどの、たった一つの細胞だったことを思えば、驚くべき成長です。

(後編に続く)

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 このような内容が盛りだくさんの『祝福家庭』を、是非一度手にとってみてください。

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