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女性の立場から見たレダ 10

(『世界家庭』2017年5月号「心情の十字架を超える道—女性の立場から見たレダ—(後)」より)

 『世界家庭』に掲載された飯野絢子(あやこ)さんの証しを、毎週水曜日配信(予定)でお届けします。

 飯野貞夫・天一国特別巡回師(777家庭)の夫人・絢子さん(2024年10月聖和、享年86)は、飯野巡回師と共に2008年から4年間にわたってレダ(パラグアイ)に滞在し、開拓にいそしむ日本人国家メシヤたちを支えました。そんな絢子夫人のレダでの歩みを紹介します。

▲飯野貞夫さん・絢子さん夫妻(2011年、レダ)

雇っていた現地の女性がブラジル人と祝福を受ける

 「♪イーホミーオ ブエルベヤ〜(帰れ〜 わが子よ〜)」
(*「イホ」は息子の意)

 修練所の台所から澄んだ歌声が聞こえてきました。調理しながら、現地の女性たちが歌っているのです。

 レダ「ムーンチャーチ」では、労働者の日曜礼拝を続けてきました。共に仕事をしているチリの元ナショナルリーダーと、パラグアイ・コンセプシオン教会の元教会長がリードしてきました。飲み物やケーキを用意し、ギターを奏でながらの楽しいセルビシオ(礼拝)です。

 私の役割は、スペイン語の「聖歌」には載っていない日本の聖歌を歌うことでした。「夢路で天の」や「美しいものを求める心は」などがリクエストされました。

 仕事の関係でアルゼンチンに滞在中だった青木悦子さん(ロシア国家メシヤ、1800家庭)が、夏の盛りの1月、2月は必ず、そして応援が必要なときには何度となく駆けつけてくれました。アルゼンチンからはバスで21時間、ほぼ一日がかりでアスンシオン(パラグアイの首都)へ。さらにそこからレダまで、飛行機で2時間半の道のりです。

 最もレダらしい暑い季節の1月、2月は、正に“蚊難(カナン)”の地でした。蚊のあまりのすごさに、車の中にも蚊取り線香をたいたところ、夫が「蚊よりも先に人間が死ぬ」と音を上げたこともありました。

 青木悦子さんが、2011年にスペイン語の自叙伝(『平和を愛する世界人として』)を40冊、携えてきてくれたのをきっかけに、レダの来園者には自叙伝を手渡すことが恒例化していきました。

 佐野道准さん(チリ国家メシヤ、1800家庭)を中心に、人事異動で着任してくる警察官や海軍の人、パイロット、船でやって来るキリスト教の巡回伝道師、カヤックで活動するエコロジストなど、訪れた人全てに手渡しました。40冊はあっと言う間になくなりました。

 レダより少し上流のバイアネグラにある海軍基地の上官に自叙伝を渡したところ、その上官が誰でも読める場所に置いてくれたので、隊員たちが回し読みしていました。その隊員の一人がレダの駐在所に着任し、自分用の自叙伝がもらえたと大喜び。「何ページのここまで読んでいた!」と、本当にうれしそうに教えてくれました。

 毎月のように人事異動で着任してくる警察、海軍のかたがたは必ず食事に招待し、交流を深めることも忘れませんでした。

 こうして、こつこつと積んできたささやかな精誠は、やがて国際協力青年奉仕隊の活動に乗って、時の大統領に自叙伝を手渡すまでに実っていったのです。

 レダでは、クリスマスや新年の期間、既婚者を家に帰します。代わりに、未婚者や学生たちに仕事をしてもらっていました。ディアナ村のレヒナさん(女性)も2006年頃、その人手不足の時期に手伝ってくれた一人です。当時、167歳くらいだったでしょうか。

 私の夫は、勉学の志を持っていたレヒナさんにパラグアイ教会を紹介しました。彼女は自ら教会を訪ね、教会に寝泊まりしながら学校に通い、看護師の資格を取得しました。そしてブラジル人とマッチングを受け、ディアナ村を含む周辺地域での祝福家庭第一号となったのです。

 16年の間、継続してきた大学生中心の国際協力青年奉仕隊を迎える折(毎年8月)の私の役割の一つに、おかゆ作りがあります。

 川の水を常用している村で共に過ごすのは数日ですが、あまりにも人懐っこくかわいい子供たちからコップの水を差し出されると、「川の水と知っていても、つい口にしてしまうんですよね」と言う隊員がいましたが、その結果が発熱や下痢ということになります。現地特有の風土病もありました。

 隊員たちは、現地の子供たちに配るギフトを用意して、一人一人に手渡しし、お互いに忘れがたい心情の絆を結ぶのです。8歳くらいでそんな出会いをした現地の女の子が1718歳に成長し、レダに掃除婦として仕事に来ました。彼女は掃除をしながら、壁のお写真を指さして問うのです。「あれはパードレ(父)ね?」「あれはマードレ(母)!」「あれはイホ(息子)?」と。感動の瞬間でした。

 2016年からレダで、二世中心の21日修練会が二度行われました。ブラジル、パラグアイから参加し、皆、本当に感動し、復興しています。

 天一国主人の使命は、まず関心を持ってあげ、責任を持って接し、よく保護してあげながら、育成していくことにあります。

(続く)

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 次回は、「お父様がなさりたかった魚の養殖に着手」をお届けします。