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宣教師ザビエルの夢 72

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「宣教師ザビエルの夢」を毎週月曜日配信(予定)でお届けします。
 1549年8月15日、鹿児島に一人の男が上陸した。家族や故郷を捨て、海を渡った男が、日本で夢見たものは何か。現代日本に対する彼のメッセージを著者が代弁する!(一部、編集部が加筆・修正)

白石喜宣・著

(光言社・刊『宣教師ザビエルの夢-ユダヤ・キリスト教の伝統と日本-』〈1999429日初版発行〉より)

第五章 律法の精神と現代日本への教訓

五、祈り、規範、支柱としての律法

●生命の言葉
 神の言葉であるトーラー(律法)の結びには、民との別れの時を目前にしたモーセの言葉が、こう記されています。

 「あなたたちは、今日わたしがあなたたちに対して証言するすべての言葉を心に留め、子供たちに命じて、この律法の言葉をすべて忠実に守らせなさい。それは、あなたたちにとって決してむなしい言葉ではなく、あなたたちの命である。この言葉によって、あなたたちはヨルダン川を渡って得る土地で長く生きることができる」(『旧約聖書』申命記32・46〜47)

 この言葉どおり、ユダヤ民族はヨルダン川を渡って国を建て、イスラエルの歴史を記憶に留め、民族離散の困難を乗り越え、今日までその命脈を保ってきました。元の理想の回復を呼びかける神の言葉はまた、人を生かす生命の言葉でもありました。

 律法の背後にある選民の歴史と神の心情を思い起こすとき、私たちは今日もなお生きておられる神のみ言葉の重みを、一層実感できるのです。

 これから迎える新しい時代を生き抜くために、日本人であっても、この生命の言葉を心に収め、守り行い、語り継いでいく必要があるのではないかと思うのです。

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 次回は、「ザビエル記念聖堂の焼失」をお届けします。


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