2024.12.04 17:00
女性の立場から見たレダ 2
『世界家庭』に掲載された飯野絢子(あやこ)さんの証しを、毎週水曜日配信(予定)でお届けします。
飯野貞夫・天一国特別巡回師(777家庭)の夫人・絢子さん(2024年10月聖和、享年86)は、飯野巡回師と共に2008年から4年間にわたってレダ(パラグアイ)に滞在し、開拓にいそしむ日本人国家メシヤたちを支えました。そんな絢子夫人のレダでの歩みを紹介します。
真の父母様の祝福の祈祷で始まったレダ摂理(後)
2001年当時、レダ滞在のメンバーが交替で「レダ通信」を日本に送ってきていました。その中から、梶栗玄太郎先生(マケドニア国家メシヤ、43家庭)の一文を紹介します。
「蕩減(とうげん)のためならエーンヤコラである。蕩減といえば、今ここに日本の摂理を遅らせた張本人たちが集まっている。まだ少し来ていない人もいるが、代表して蕩減している。一般の人々は、あんな地の果ての荒野で苦労していると思っているかもしれないが、何の、当人たちは楽しく過ごしている」
当時の梶栗さんは、先輩としての責任を痛感しておられました。ですから現地で、ひげは伸び放題、身なりも一切構わず、ものすごい覚悟で臨んでおられました。恐らく梶栗さんは当時、生きようなどとは考えず、み旨のために死ぬことしか考えていなかったように思います。
私にとっても「蕩減」の二文字は特別な響きで迫ってくるものがあります。ジャルジン40修の折、「絢子は蕩減条件を背負った女」「飯野は平和をもたらす男」と、真のお父様から大変なみ言を直接頂いたのです。「何ということだろう」というのが私の正直な気持ちでした。
真の父母様はパンタナールを「聖地の中の聖地」として定められ、「源焦聖地、根源聖地、勝利聖地」と命名されました。「完成した本然の聖地、やっと天国の起源となる基地を作った」ともおっしゃいました(1999年7月27日、ホテル・アメリカーナ)。
「聖地とは、天の将軍が守っているのだが、全てのことはそこで答えをもらい、そこで問題を解決しなければならない」と語られ、レダに「清愛、生血、心身一体」の揮毫を下さいました(下の写真)。「パンタナール精神(丸呑〈の〉み精神=善いものも悪いものも全部呑み込んで消化する)で取り組むんだよ」とのみ言もありました。
なぜパラグアイなのか。さらに、なぜパンタナールなのか。なぜ日本人の国家メシヤに託さねばならないのか──。
その答えは、以下のみ言の中に明らかです。
「南米で一番の共産圏の基地がパラグアイ。だから先生が南米対策するために最初に来たのがパラグアイ」
「南北米を中心に、日本と韓国を生かしてやらなければならない。旧教と新教が反対したから、これが一体化し、新教の北米、旧教の南米が一つになることによって、韓国が統一するんですよ」
「日本の母の国の先輩、国家メシヤ、先輩よ。日本の先輩をつないで、母の伝統基盤を立てる。誰を送るべきや。国家メシヤは代表である」
「母の使命は果たされてないよ。それを君たち、準備して早くせよ」
9月21日に真のお父様は、「全体蕩減」のみ言(『御旨と世界』)を訓読させた後、「全体蕩減というみ言を聞いて怖くない?」と問い掛けられました。続けて、「先生、きちがいじゃないんですよ。なぜ米国で苦労の道を先頭立って行くのか。第二次世界大戦後、米国を中心にしてキリスト教、旧教と新教を収拾するのは問題ありませんでした」と語られました。
キリスト教を一つにして収拾する道があったというのです。このみ言の中に、キリスト教復帰に対する真のお父様の悔しい思いをかいま見るのです。
ですから私は、しばらくの間、この「全体蕩減」のみ言に接することを避けていました。「もしも、真の父母様が願うように感じられず、読み取れなかったら」と思うと、恐怖にも似た心境になるのでした。
さらに修練会の期間、み言の中で「完全」の二文字がいろいろな言葉に付いたのも印象的でした。完全蕩減、完全自己否定から完全復帰などなど──。
また、「絶対蕩減するには、真の父母が絶対不可避な存在です。悲しくても先生にしがみつかねばならないし、うれしくても先生にしがみつかねばなりません」というみ言も忘れられません。レダに本格的に入るための覚悟と決意を試されていたようにも思います。
真のお父様は、「先生の背後の本音は何なのか、知らなくても真剣な時間だ」と語られ、「真の父母の代わりに立って! 先生の代わりにやってみよ! 先生と君たちは一つ。韓国と日本は一つの国である。みな先生の下の弟だ」と、“ウリヌン ハナダ”に値するみ言で励ましてくださいました。
そのうえで、「夫婦一心で、奥さんともども、きょうここに指示しているんですよ」と、私たちに決心を促しながら、40日の最後には「間違いなく断行します!」と三度誓わせて、歴史的なレダ摂理が出発したのです。真の父母様は、「気をつけて行け。しっかり決意して行け」と送り出してくださいました。
(続く)
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次回は、「創造本然のエデンの園のような大自然に圧倒される」をお届けします。