2024.11.22 17:00
青少年事情と教育を考える 281
小学校で暴力行為が急増
ナビゲーター:中田 孝誠
10月末、文部科学省が「生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果を公表しました。
全国の国公私立小・中・高校を対象にしたもので、学校でのいじめや不登校が増加しているという実態を示しています。
ここでは特に暴力行為について取り上げたいと思います。暴力行為もやはり増加傾向にありますが、特に目立つのは小学校での増加です。
全体を見ると、昨年度(2023年度)、全国の学校から報告された暴力行為は10万8987件で、前年度から1万3千件余り増加し、過去最多となりました。
コロナ禍で20年度はやや減少したものの、一転して3年連続の増加となっています。
内訳は、「対教師暴力」が1万3043件(前年度比1070件増)、「生徒間暴力」が8万460件(同1万880件増)、「対人暴力」1412件(同234件増)、「器物損壊」1万4072件(同1377件増)となっています。
特に危惧されるのが小学校での増加です。
件数は7万9件(同8554件増)で暴力行為全体の65%を占めました。
また、加害児童生徒数は全体で8万9688人(同1万1279人増)ですが、このうち小学校が5万1720人(同6181人増)です。
小学校の暴力行為は2013年度頃から増加傾向にあり、18年度には3万6536件となって中学校を上回りました。昨年度は中学校の2倍を超えています。
なぜ小学校が増え続けているのか。
「小学校低学年などで、たとえふざけているだけでも暴力的行為になっているような場合をしっかり捉えるなど、初期段階から把握しているために件数が多くなっているのではないか」(文部科学省の担当者、教育新聞2024年11月11日)という、学校側の積極的な認知がなされているという指摘もあります。
確かに、これらのデータは認知件数、つまり学校が把握した件数ですから、捉え方によって件数が変わることはあります。
ただ、中学校は10年前とほぼ同数で、それ以前はむしろ減少の兆しも見られました。コロナ禍による減少があったことを考慮しても、この10年間は小学校ほどの増加は見られません。
小学校で積極的な認知がなされたということは確かに考えられますが、それだけでここまで急増するのか。暴力行為もいじめも、学校空間、学校での人間関係の問題だけが原因とは言えません。
当然、家庭での親子関係なども影響していると考えられます。こうした観点での分析が必要だと思われます。