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青少年事情と教育を考える 280
ライフデザインを学ぶと結婚意欲高まる傾向

ナビゲーター:中田 孝誠

 今回は、「ライフデザイン」について取り上げます。

 こども家庭庁では現在、若い世代のライフデザインについての政策を考える有識者と若者のワーキンググループをつくり、議論を行っています。

 ライフデザインとは、将来の人生設計です。学校のキャリア教育にも近いものですが、就職や結婚、出産、住居など自分で総合的に考えるということです。

 多くの自治体では、主に高校生や大学生など若者向けに「ライフデザイン教育」を実施し、進路や職業選択、結婚と出産、子育てなど、若者の選択を支援する取り組みを行っています。そのための教材を作成している自治体も多くあります。

 ワーキンググループの中間報告を見ると、結婚や妊娠・出産、子育ては個人の自由な意思決定に基づくことを前提とした上で、わが国の少子化の背景に、若い世代が結婚や子育ての将来展望を描けない状況があるとして、「学業やキャリアのみならず、結婚、妊娠・出産、子育てといった様々なライフステージにおける選択を含め、自らの人生をどのようにデザインしていくかについて、自分なりの希望や選択肢を思い描き実現するために必要十分な情報や意見を得られる環境が必ずしも整備されていないのではないか」と述べています。

 ワーキンググループが15〜39歳の若い世代2万人を対象に実施したアンケートも公表されています。

 それによると、「結婚はしたい」という未婚者は63%、「わからない」は14%、「結婚したくない」は20%です。

 未婚者の70%は自治体などが実施しているライフデザインに関する講座を受講したことがありませんでした。ただ、高校生の48%、大学生の42%が授業などで学んだことがありました。

 また、ライフデザインで「子育ての情報」や「妊娠・出産に関わる身体的な情報」を学んだ人は、理想の結婚年齢を「25歳から29歳」と考える割合が高くなっています。

 さらに、学んだ人は「自分自身に満足している」が53%で、学んでいない人の満足度43%に比べて10ポイントも高くなっています。

 この他、未婚者は既婚者に比べて、自分の性格をネガティブ思考だと考えたり、自己肯定感が低い傾向にあるといった数値も出ています。
 未婚者というと高校生や大学生、若手の社会人の年代ですが、ライフデザインについて学ぶことの意義を示しているといえそうです。