天一国主人に育む「神様コーチング」43
人間の責任分担を支援する相談

ナビゲーター:阿部 美樹

神様の創造性に似る
 『原理講論』には、神様は子女として創造された人間にのみ「責任分担」を与えられ、神様ご自身もその責任分担には干渉されないと説明されています。

 「人間がそれ自身の責任分担を完遂して初めて完成されるように創造されたのは、人間が神も干渉できない責任分担を完遂することによって、神の創造性までも似るようにし、また、神の創造の偉業に加担させることによって、ちょうど創造主である神が人間を主管なさるそのごとくに、人間も創造主の立場で万物を主管することができる主人の権限を持つようにするためであった」(7980ページ)

 また、『原理講論』の堕落論には、「第6節 神が人間の堕落行為を干渉し給わなかった理由」において、神様が干渉されないことの重要性が詳しく説明されています。

 同じように、相談においても、相手がいくら悩んで助けを求めるような状況であろうと、相手の責任分担まで干渉することはできません。

 悩みを聞いていると、「こうすればうまくいくのに」というアイデアが湧いてきて、「だったら、こうしたらいいですよ」というアドバイスをしてしまいそうになります。このような時に、「相手の責任分担に干渉しない」という大原則を忘れてはいけません。

自分で決定して自己創造する
 相談においては、相手が自ら行くべき道を見つけ出せるように傾聴、共感、承認していきます。
 そして、その時々に「どうしたいですか?」「神様はどのように願っているでしょうか?」など、的確な質問を投げかけることによって、自らすべきことを見つけ出していきます。

 経験不足や知識不足の場合は、アイデアや気付きが何も出てこないこともあります。
 その場合は、有益な情報提供をすることもありますが、断定的な答えの形で表現することは相談の本来の姿ではありません。

 例えば、次のような提案型の表現の仕方があります。

 「このような場合、〇〇の選択をする人もいますし、〇〇を心がける人もいますが、あなたはどうしますか?」

 「み言の中には〇〇という内容がありますが、それを聞いてどう思いますか?」

 「私は〇〇が有効かなと思いましたが、どう思いますか?」

 人生の決定権は、人生の主人公である自分自身にあります。
 自分が納得できる人生の選択を、自分の責任で決定することによって、神様の似姿に近づき、尊厳ある人生を送ることができるようになります。

 神様は人間の責任分担に干渉しないということは、「人間に決定権を下さった」ということであり、「自分の責任で決定してこそ、責任感が育まれ、自己創造することができる」ということです。

 このような原理原則に基づいていくためにも、コーチングを用いたコミュニケーションスキルを身に付け、相談や会話を行うことが望ましいことでしょう。

 2024年1月から連載してまいりましたが、今回が最終回となります。
 本コーナーでは、「神様コーチング」の基本的理論と実践に関する情報をお届けいたしましたが、繰り返し読んでいただければ、より深い理解と気付きが得られることでしょう。
 読者の皆さまにはご愛読いただき、心より感謝申し上げます。

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 「神様コーチング」は今回が最終回です。ご愛読ありがとうございました。

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