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ほぼ5分で読める統一運動 24
超教派運動の始まり

稲森 一郎

 文鮮明(ムン・ソンミョン)・韓鶴子(ハン・ハクチャ)夫妻が提唱する統一運動は、世界基督教統一神霊協会(略称、統一教会/現・世界平和統一家庭連合)を基盤として推進されてきましたが、第17年路程(19601967)において、韓国での数的基盤が整いつつある中、文師は1966117日、「基督教超教派運動本部」(1974104日に「超教派キリスト教協会」に改称)を創立されました。

 この超教派運動本部の創立目的は、「キリスト教系各教職者間で、密接な交際をもつことにより、教理と信仰生活の一致を図り、キリスト教本然の家庭と信仰性を回復しよう」(『真の御父母様の生涯路程④』372ページ)というものでした。

 創立後の125日には、早速、明洞所在のサムオ亭に28教派に属する約200人のキリスト教指導者を招請、キリスト教教職者懇談会を開催しました。

 1965年に開始した超教派運動の目的は何でしょうか。
 文師は以下のように述べておられます。

 「宗教の道は犠牲と奉仕の道です。これ(宗教)はサタン世界を分離させるために必ず必要です。それゆえ蕩減(とうげん)路程を歩むためには、宗教を選ばざるを得ません。今後、ある宗派的な宗教は世界的な宗教と連結しなければならず、哲学も世界的な哲学基準に連結しなければならず、政治も世界的な政治と連結しなければなりません。このような基準を私たちは、七年路程が終わればすぐに国家的次元で築いておかなければなりません。そうでなければ、天が守備の立場から攻勢の立場に変わることができないのです。そうしようとすれば、キリスト教を中心として韓国内に統一教会が勢力を形成し、多くの宗教を糾合しなければなりません」(同、372373ページ)。

 ここに語られている言葉は、1968年以降、国家的次元の復帰摂理路程(第27年路程)に入るので、超教派の運動が必要不可欠とならざるを得なくなる、そのために、1966年の時点で、超教派運動の運動本部を整えることにしたという意味です。

 文師は、さらに、超教派運動の目的に関して以下のように述べています。

 「キリスト教を中心として超教派的活動を展開させ、彼らと私たちが共通の立場を取っていることを自他共に公認し、国家的な次元でもやはり統一教会の教理が最高であることを公認するようにしなければなりません。これが超教派運動を始めた目的です。

 第二の目的は既成教会を復活させることです。今、新しく既成教会の門を開けなければなりません。そうしなくては、その人々は最も哀れになるのです。私たちは自分を死の道に売り渡した10人の兄弟を許したヨセフと同じ立場から、既成教会の人を伝道し、彼らの門を開けてあげなければなりません」(同、373ページ)

 統一運動の一貫した視点は、キリスト教の諸教派の和解と調和一致です。
 さらには、世界の諸宗教の和解と調和一致です。

 世界の宗教勢力の団結と協力のもとに、共産主義を克服することができると主張しておられるのです。

 「共産主義と最先鋒(せんぽう)で対決すべき米国は、他の国家を援助しましたが、世界の宗教を統一し、それを協助することができませんでした。そのため、反対に共産国家が、宗教を悪い方に利用したのです」(同、374ページ)という文師の警告は、アメリカが取り組むべきであった宗教の団結と協調を、代わって、文鮮明師夫妻が責任を持つことになったとも受け取れる言葉なのです。