2024.11.01 22:00
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第211回 真如苑とはどんな宗教でしょうか?
ナビゲーター:阿部美樹
皆さん、こんにちは!
今回は、「真如苑(しんにょえん)とはどんな宗教でしょうか?」という質問に対してお答えします。
真如苑の公式サイトを参考にして説明します。
真如苑は、京都市の真言宗(しんごんしゅう)醍醐(だいご)派総本山・醍醐寺で修行を修めた僧侶・伊藤真乗(いとう・しんじょう/1906~1989)によって1936年に創立されました。
当時30歳だった伊藤真乗・開祖は、妻・友司(ともじ:初代苑主)と共に、み仏(ほとけ)の道に入ることを決意し、真言宗の醍醐寺にて得度(とくど:僧侶になるための儀式や手続き)を受け、正しい修行に踏み出しました。
1938年、東京都立川市に初めてのお堂(真澄寺/しんちょうじ)を建立し、1943年には、真言密教の全ての法(教えや修行方法)を受け継ぎました。
僧侶だけでなく、より多くの人々がみ仏の教えを正しく修行できる道を目指して、1953年、大乗仏教の集大成ともいえる経典「大般涅槃経(だいはつねはんぎょう)」を中心に誰もが修行できる信仰の在り方を体系化しました。
これが真如苑の始まりです。
真如苑の「真如」とは仏教でいう真実そのもの、あるがままのものという意味で、「苑」とは囲いのない庭をいい、つまり、真如苑とは誰もが仏教の教えに沿って、真実を見いだすことのできる場所という意味です。
真如苑は、現在、約20カ国に100を超える寺院があり、世界で約100万人(国内で約90万人)の信徒が活動しています。
総本部は、東京都立川市にある「燈檠山真澄寺(とうけいざんしんちょうじ)」です。
1989年、伊藤真乗の死去に伴い、娘の伊藤真聰(いとう・しんそう)が真如苑の継主(けいしゅ、現・苑主)として継承しています。
真如苑の中心的な活動を三つ紹介します。
第一は、月に数回あるさまざまな法要に参加することです。
法要とは経典を唱え、続いて体験談や法話を聞き、み仏への感謝の心や他のために行うことの大切さを学びます。
第二は、自分と向き合うための接心(せっしん)修行です。
これは、真如苑独自の祈り、瞑想を通じて自分の心の傾向を見つめ、心の精度を向上させることを目的とします。
接心修行では、指導者からのアドバイスを受けながら、自分の心を磨くヒントを得て、それを日常生活に生かします。
第三は、奉仕活動です。善行である奉仕活動を大切にし、他に喜びを与えていく行いである「大乗利他行(だいじょうりたぎょう)」を実践する機会とします。
真如苑の本支部で行う奉仕活動のほか、駅などの公共の場所を清掃する「早朝奉仕」、社会でのボランティア活動への参加も勧めています。
真如苑は、「世のため人のために正しく道を貫くべし」と説いていますが、新約聖書に示される「自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ」(マタイによる福音書 第22章39節)というイエス様の教えとも通じるものであるといえます。
また真如苑は、普通の社会生活を営む在家の信者であっても、出家者と同じように仏道を歩むことができるように道を開きましたが、統一原理においても、より小さな条件で同等の価値の恩恵を受ける道があると説いています。
「我々は十字架の代贖を『信ずる』というごく小さな蕩減条件を立てることにより、イエスと同一の死を経て再び生きたという条件を立てたとみなされて、救いの大いなる恩恵を受けるようになるのである。また、我々は数滴の水を頭の上から注がれ、洗礼を受けたという蕩減条件を立てることにより、イエスと聖霊によって重生したという立場を復帰することができるのである」(『原理講論』275ぺージ)
このように、難行苦行の出家者だけでなく、救いの道が万民に広がり、日々の家庭生活、社会生活を通して天国人になる恩恵が広がることを願ってやみません。
【参考】
「真如苑」公式ウェブサイト