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スマホで立ち読み Vol.35
『家庭と教会学校で育む 子女の心情と信仰』6

座間保裕・著

(光言社・刊『家庭と教会学校で育む 子女の心情と信仰』〈20161031日初版発行〉より)

 スマホで立ち読み第35弾、『家庭と教会学校で育む 子女の心情と信仰』を毎週月曜日(予定)にお届けします。

 本書は長年にわたる子女教育の研究と実践の集大成として、家庭教育での父母の在り方についてまとめられた一冊です。

 第1部はQ&A形式の提言、第2部は第1部の内容についての理論的な解説がまとめられており、実践と理論の両面で学べます。

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1部 小学生期の子女教育Q&A

1章 家庭での父母による信仰教育

⑤親の言うことを聞かなくなった6年生男子の母ですが、中学に向け不安です。

 父母が自分の枠に当てはめようとしても、自我が芽生える2歳から4歳頃や、13歳頃からの思春期には難しくなります。子女に対する姿勢が間違っているからです。あくまでも、神の子、真(まこと)の父母様の子として、侍る心で接するべきなのです。そのためにはどうしたらよいのかを考えてみたいと思います。

 子女教育の問題の根本には、親子間のコミュニケーション不足がまず挙げられます。その原因を挙げれば、①親子の時間的接点が少ない、②住居に子供部屋ができ、一家団欒(だんらん)の環境が少なくなる、③テレビ、ゲーム、ビデオなどに時間を割くあまり、親子の会話が不足する、などの外的要因が考えられます。

 しかし、これらの環境的、外的課題を克服できたとしても、内的要因が未解決ならば事態は変わりません。むしろ内的要因が解決するならば、外的課題を克服していく力が出てきます。

祈り心
 まず子女に対する祈りが恒常的になされているかどうかです。衣食住のことだけに終始していても子女は復活しません。魂の成長は霊と霊の交わりからなされます。そこで「祈り心」で子女と会話することをお勧めします。例えば、「きょうは学校でいろいろな出来事があったんでしょ。お母さんも知りたいから話してほしいな」などと心の中で話しかけるのです。すると会話がなくても関係性を実感するようになります。それを継続してください。自然に言葉が出て、子女からも自然に返事が来るかもしれません。

子女を伝道し続ける
 親子が共通の目的で会話できるようになるためには、共通の価値観になるまで伝道し続けなければなりません。信仰に対する動機のない子女を伝道するのだという意識が、ややもすると父母に欠けているかもしれません。その意識がない場合、まだ二世教育が始まっていないと言っても過言ではありません。『御旨の道』に「伝道の効果は霊的40パーセント、原理30パーセント、実践30パーセントとして表れる」とあります。祈りが重要だと分かります。

 一般的にも信仰の子女を立てるために、どれほど心情を投入するでしょうか。話を聞き続けたり、一緒にいてあげたり、プレゼントもし、手紙も書き、寝ても覚めても伝道対象者のことで頭がいっぱいになります。「人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない」(ヨハネ1513)の境地に至ったその時、信仰の子女が復帰されます。正に命懸けの伝道です。我が家においてもサタンの入る隙がなく、神様が働くような子女伝道の精神が漂っていることが必要です。

 ただ漫然と一緒にいるからといって伝道されるものではありません。ある意味、父母は虎視眈々(たんたん)と伝道の機会を狙っていなければなりません。例えば、食卓を囲むときは一つのチャンスです。心が満たされて人の話を聞く余地が出てきます。また子女の洋服を買ってあげれば、その時は子女の気分が良くなります。プレゼントする時も話せるチャンスです。また、子女が学校で頑張っていることを話題にする時もチャンスです。その時、子女はうれしく心地も良いので、いろいろ話す材料があります。男子であれば、一緒に遊ぶことなどが最高に心を開く場となるでしょう。

 その時、大切なことは子女の事情圏に同参することです。「ああ、そうなんだ」、「そうだね」、「お母さんもそう思う。あなたが正しいと思う」と心情を込めて言ってあげることが、どれほど強い理解者を得たことになるでしょうか。それが子女の自信につながっていくのです。そして、子女が生き生きしてくるのです。人間にとって自分のことを相談でき、話を聞いてくれる人がどれほどいるかが、その人の成長の度合いに大きく関わってきます。その最初の人が母親であってほしいのです。

個性を引き出す
 人を育てるには、神様からの天賦の才を引き出すことも重要です。神の子に賦与された無限の可能性を存分に発揮させるのも、まず父母であり天使長としての役割なのです。

 さらに親なる神様がアダムとエバに生命(いのち)の木と善悪を知る木を絶えず仰ぎ見させたように、父母が子女の個性や適性を引き出しながら、将来の夢を、折りを見て話してあげるとよいのです。

 神様はアダムとエバを創造する前にエデン(楽しみの意)の園をつくられたように、子女を取り巻く環境の重要性を考えなければなりません。つまり、家の中が整理され、美しくさわやかな雰囲気ならば、子女は良い気分になります。「家庭内の整理整頓なくして子女との円滑な会話はない」と思って、まず環境整備に努めましょう。

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 次回は、「芸術活動やスポーツは?」をお届けします。



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