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スマホで立ち読み Vol.35
『家庭と教会学校で育む 子女の心情と信仰』4

座間保裕・著

(光言社・刊『家庭と教会学校で育む 子女の心情と信仰』〈20161031日初版発行〉より)

 スマホで立ち読み第35弾、『家庭と教会学校で育む 子女の心情と信仰』を毎週月曜日(予定)にお届けします。

 本書は長年にわたる子女教育の研究と実践の集大成として、家庭教育での父母の在り方についてまとめられた一冊です。

 第1部はQ&A形式の提言、第2部は第1部の内容についての理論的な解説がまとめられており、実践と理論の両面で学べます。

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1部 小学生期の子女教育Q&A

1章 家庭での父母による信仰教育

③「二世のアイデンティティー」とは何ですか。

 「Identity」とは「正体性」という意味であり、一般的に使われているアイデンティティー(ID)カードとは、身分証明書のことです。「二世のアイデンティティー」と言うとき、二世とは何者なのか、二世の価値性は何であるのかということです。従来、12歳になったら「二世としての再自覚をするべきである」と言われてきましたが、それは「二世のアイデンティティーとは何か」を知ることと同じ意味なのです。

 人間始祖のアダム・エバの堕落によって人間本来の価値性を失い、サタン(悪魔)の血筋から始まった長い人類歴史の中にあって、有史以来、初めて本然のアダムとエバのような「神の子」の価値性をもって誕生したのが、祝福二世です。全知全能の、真(まこと)の愛の神が人間の親であることを悟られた文鮮明(ムン・ソンミョン)先生は、「神様の愛に酔った」と語られています。

 なぜならば、子女は親の能力を相続するのみならず、親以上になる存在だからです。正に、完成した人間には、神様のようになれる神的価値があり、天宙の全てのものを主管できる、天宙的価値があり、唯一無二の個性をもつ絶対的価値があるのです。二世は、そのような者になれる存在として、この地上に生を受けたのです。

アイデンティティー形成のために
 アイデンティティーは、自分で自覚するというよりも、他との関係性において形成されます。例えば、日本人は自分の意思とは関係なく日本国に生まれたので、日本人になっています。その後も、日本の教育を受け、日本の文化の中で成長するので、名実共に日本人になっていきます。このことを、二世のアイデンティティー形成に当てはめて考えてみるとよいと思います。

 二世圏を取り巻く教育環境と、他のために生きる心情文化世界の環境が、二世が本来の価値性を体恤(たいじゅつ)できるか否かを決すると言っても過言ではありません。そのための最高の教育環境が家庭であるので、ここでの父母の果たすべき責任について述べてみようと思います。

 無形の神様が、実体として真の家庭に顕現されていることは、最高の恩恵です。聖書に「信仰とは、望んでいる事がらを確信し、まだ見ていない事実を確認することである」(ヘブル111)とありますが、見えない神様を信じる時代から、見える実体の真の家庭とアラインメント(一致化)する時代になったのです。

 真の家庭と具体的に、心情的に、人格的に交流できるのです。たとえ時間的、空間的に離れていても、語られているみ言を通して、心情と人格を感じることができるのです。授受作用が多ければ多いほど一体化できるので、世界のどこにいても、いつでもみ言を訓読できるということが、どれほどアラインメントすることを促進しているのか、量り知れないことなのです。その中で、二世に懸けられた神様、真の父母様、真の家庭からの夢や理想、願いを強く感じ、改めて「神の子」としての自覚が出てくるのです。

 それを促進するのが、青年を対象に実施しているトップガン修練会であり、以前から実施しているSTFプログラム、Jr. STFプログラム、iSTFプログラムもみな、み言訓読を中心とするものです。

 真の子女様の証の中に、複数の子女をもつ父母は、いつもその子女たちがそろっている場で話し合うだけではなく、その子女たちの一人一人と父母だけで話し合う時間を、1週間に1度はもちなさいという内容があります。

 自分の価値性というものを、子女自身では、なかなか自覚できないものです。しかし、父母が1時間でもじっくりと子女の話を聞いてくれたり、父母から希望や夢のある内容を語ってもらうとするならば、子女は、うれしいのはもちろんですが、自分が大切にされている、貴重視されているという確信が、心の中に醸成されていくのです。それがアイデンティティー形成の基礎になるのです。まず、この一歩から実践しましょう。

成長段階ごとの信仰の動機づけ
 信仰の動機のない二世が、自立的信仰をもつまでには、成長ステージごとに押さえるべきポイントがあります。その一つ一つの段階において確実に成長してこそ、二世のアイデンティティーというものが、確かなものになっていきます。

●幼少期は、親子の愛と信頼の関係が、神様への愛と信頼に連結されます。

●学童期は、「親子セット」で成長する時なので、親の信仰生活が当たり前のものとして体得的に相続されます。

●思春期は、兄弟姉妹の文化の中で信仰の成長がなされます。

●大学時代、青年期は、真理を探究する中で確信をもっていきます。

●自立的信仰段階は、実践を通して深化させていくことができます。

 成長段階に従って、アイデンティティーの形成も深まっていくのです。

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 次回は、「家庭での原理教育は?」をお届けします。



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