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【B-Life『祝福家庭』コーナー】
『祝福家庭』105号(2022年夏季号
「本性美」入門講座 6
脳の働きを高める「音読」

ビューティー・アドバイザー 松橋陽子


 今回は、禅の教えの「口業(くごう)」(愛情の込もった生命のある言葉を使う)の観点からの解説(前編)です。発声練習と音読により、人前で話すことへの苦手意識を克服し、自分らしさを引き出す方法について紹介します。

 日本人のコミュニケーション能力について語るとき、よく言われてきたのは、以心伝心という言葉です。
 「言わなくても分かるでしょ」ということで、察するのは上手な反面、話すことを苦手とする人が多いのが、日本人の特徴だそうです。

 話し方を学び、コミュニケーション能力を向上させるため、私は「発声練習と音読の実践」をお勧めしています。
 脳科学の発達により、音読をすることで脳内の血流が増加し脳の働きが高められることが、広く一般にも知られるようになりました。

 音読は発声を伴うため、「声に出して読む」(アウトプット)と、「耳で聞く」(インプット)を同時に行います
 一方、黙読の場合は文字を目で追うことだけに限定されるため、「認識する」(インプット)のみになるという違いがあります。

 例えば『原理講論』を学ぶにおいても、黙読より音読のほうが、理解が深まります。
 さらにただ音読していた段階に比べ、講義演習などのように聞き手を意識して語った場合は、理解の程度は格段に上がります。

 音読の効用として今注目されているのは、記憶力や発想力の向上、集中力が養われる、会話が上手になる、感情の起伏が穏やかになる点です。
 ほかにも読解力や語彙力の向上、論理的な展開を考えられるようになるなど、多くのメリットがあります。

 「発声練習と音読の方法」(下記を参照)を実践している人は、訓読会や朗読会などでも、聞き手の心に届く音読をすることができるようになります。

発声練習と音読の方法

・発声練習
 音読を始める前には、発声練習が必要です。
 「本性美」入門講座 5前回の記事または、『祝福家庭』104号)に掲載した「正しい姿勢」で立ち、丹田を意識した腹式呼吸で身体を整えます。

 そして「あえいうえおあお…」と「発声練習と滑舌を兼ねたトレーニング」(下の表を参照)を1行ずつ発声します。口の筋肉を柔らかくして、喉の力を抜き、無理のない発声ができるように整えます。

画像をタップすると拡大してご覧になれます

・音読
 発声練習によって音読の準備が整ったら、正しい姿勢で文章を読みます。
 音読用に選んでおいた文章を読み上げるのですが、そのとき同時に自分の耳で声を確認しながら読み進めてください。

 最初のうちは、ただ読むことだけで精いっぱいかもしれません。
 回数を重ねて、音読や文章に慣れてきたら、「読む」段階から「語る」ようなイメージに変化させていきます。その段階になれば、聞き手に読む人の心がじわりと伝わります。
 み言を訓読する際にも、これを応用するとよいでしょう。

 繰り返し音読をすると心に余裕が生まれ、大勢の人の前で話すことへの苦手意識が薄らぎ、やがて克服することができます。
 相手の反応を見つつ、笑顔で話すこともできるようになるのです。

 最近私がお薦めしている音読用の文章は、米国の詩人サミュエル・ウルマンの「青春」というタイトルの詩です。これは真のお母様の自叙伝『人類の涙をぬぐう平和の母』(255ページ)でも紹介されているものです。
 人により好みは違うので、読みたい、聞きたいと思える魅力のあるものを選んでください。

 天の父母様(神様)と真の父母様は、皆さんに話す技術だけを習得してほしいと願っておられるのではありません。
 今回の真の父母様のみ言(下記を参照)にあるように、神様の心情を先立たせて話してほしい、皆さん自身が神様の心情を感じながら話してほしいと願っておられるのです。

聞き手の心に届く音読を!

 そのうえで、心の伝わる話し方を習得し、多くの人を感化できるような祝福家庭となることを目指してください。

真の父母様のみ言
 皆さんが話をし、教えるすべての言葉に、神様の心情を感じなければなりません。言葉の後ろに立つのではなく、言葉の前に、神様の心情が先立たなければなりません。そのため、いつでも謙遜でなければなりません。……

 話すのが問題ではありません。そのような心情になっているかが問題です。
(天一国経典『天聖経』十一・二・一・41)

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 このような内容が盛りだくさんの『祝福家庭』を、是非一度手にとってみてください。

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