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ほぼ5分で読める統一運動 17
新しいアベル型の女性解放運動の道を示す

稲森 一郎

 1960年411日の聖婚式によって、韓鶴子(ハン・ハクチャ)女史が人類史上初めて「真の母」の称号を持って登場されることにより、世界的に女性解放運動が巻き起こる風潮が生まれます。

 それは、政治的、経済的、外的な種々の要因における男女間の不平等性を打破するカイン型の運動から始まりました。
 女性たちが被っている不条理な制度や扱いに激しい糾弾の声を上げる運動が1960年代から1970年代にかけて巻き起こったのです。

 このような事実は、1960年の文鮮明(ムン・ソンミョン)師夫妻の聖婚式と時を同じくしており、深い相関関係があると見なければなりません。

 文師は、「第一次世界大戦以後の70年間は女性の運勢圏です。米国でも女性が先頭に立つようになったのはほんの少し前のことです。それは70年間、地上で許しを受けた女性の祝福圏です。その祝福圏は、真のお母様がこの地上に生まれ、その真のお母様を中心として始まらなければなりません」(『真の御父母様の生涯路程④』54ページ)と述べています。
 「真の母」を中心として本格的な女性解放運動が始まることを明言されているのです。

 文師は続けます。
 「それゆえに、1960年代に入って女性運動が世界的に広まったのです。女性は、男性が解決できないことを解決しなければなりません。この地上にどんなにたくさんの人がいるとしても、すべて悪なる血統を受けて生まれた堕落の後孫であるため、母的な使命を果たせる真の女性が現れなくてはなりません。終わりの日が近づけば近づくほど、そのような代表的な存在が出現できるその時が近づくので、世界的な女性運動が起こるのです。終末期は、堕落したものを女性が復帰できる時であるので、終末である今、天的なエバを代表して女性たちが乗り出すことができる恵沢圏にいるのです」(同、5455ページ)

 文鮮明師は、終末期において女性は、人間始祖の堕落によって失ったものを復帰する使命があるので、世界的な女性運動が起こるという原理的見解を示されたのです。

 女性解放運動、またはフェミニズムという表現もありますが、フェミニズムを概観すると ①リベラル・フェミニズム ②社会主義フェミニズム ③ラディカル・フェミニズムなど、多様なフェミニズムが展開されています。

 リベラル・フェミニズムは法や文化における性的平等の認識、すなわち性別に基づき他者と異なる扱いを受けることはないという「性的平等」の権利を訴えます。

 社会主義フェミニズムは、個人主義を基礎に置くリベラル・フェミニズムとは異なり、女性抑圧の根源を資本主義に求める考え方で、平等化達成のためには体制変革が必要であると考えます。

 ラディカル・フェミニズムは、性抑圧をあらゆる形態の抑圧の根源とする考え方(性支配一元論)をとり、男性を抑圧者と見なし、女・男の利害は競合・敵対すると考えます。

 1992年、世界平和女性連合の総裁として立たれた韓鶴子総裁は、和解と協力を指向する女性観、理想世界の主役となる女性観を述べ、歴史的な転換のこの時代に、永遠の平和世界を建設する女性たちの目標について語られました。

 対立と闘争、戦争と殺りくに彩られた男性中心の歴史を女性たちが超えていくために、和解と協力を目指す女性の役割と使命は大きいとして、新しいアベル型の女性解放運動の道を示されたのです。