コラム・週刊Blessed Life 38
あなたはどんな人生を歩みますか?

新海 一朗(コラムニスト)

 どんな人生を自分は歩むのかと自問する時、とにかく、人一倍勉強し、いい会社に入って、しっかりとした収入を手にして、安心安全に暮らせるような人生を歩みたいと考える人は多いことでしょう。
 それも、間違いではないかもしれませんが、何となく、答えになっているようにも思えません。なぜなら、人一倍勉強しない人もいるし、必ずしもいい会社に入るという人生目標など持っていないという人もいるでしょうし、高額収入だけを考えて生きるのが人間の生き方ではないと思う人もいるでしょう。

 基本的に、人間の生きる姿において、「束縛感」が強い生き方を好む人はあまりいません。自由性の高い人生の方が面白いと感じる人の方が多いでしょう。

 歴史的に見れば、「束縛」とか「拘束」は奴隷の姿でしたから、自由の価値を楽しむことのできる人生がどれほど尊いか誰でも理解できます。しかし、自由に生きると言っても、でたらめな生き方をして、その結果、自分も周りの人も多大な不自由を味わうということになれば、「自由がもたらす不自由」という理不尽な結末に至ることになりますから、ここに、「倫理」という条件が備わってきて、初めて自由の価値を正しく論じることができるわけです。自由と倫理、この二つが並んだときに人生の在り方をしっかりと見つめることができます。

 ところで、「自由と倫理」がそろった状態で生きるとして、この「自由と倫理」は、一体、何を目指し、何を目標としていくのでしょうか。
 それは、すなわち、「価値創造」です。「自由と倫理に基づく価値創造」、これが答えです。

 人は自由であり、かつ、倫理を踏み外すことなく、価値創造に向かって生きるのです。価値は、「役に立つもの」「有用性」「効用性」「必要とされるもの」「喜びや幸せを与えてくれるもの」「利便性」「愛・真善美」「衣食住」など、いろいろな言葉に言い換えて考えることができますが、そのような喜びの源泉、幸福の源泉、人間生活の諸要素となるようなものを実現し、創造していく人生こそ、「価値創造」の人生であり、金銭的な収入は、価値創造に対する報酬と考えればよいのです。

 「私は価値創造の人生を送っているか」という自問こそが、必要な問いかけなのです。