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【B-Life『祝福家庭』コーナー】
『祝福家庭』103号(2021年冬季号)
「中高生教育Q&A
〜「礼拝に参加すべき!」という結論ありきで子女に対していませんか?〜

二世圏祝福推進センター 佐々木勝一センター長

【Q】
 中学1年の娘がいる母親です。娘は最近、中高生礼拝を欠席することが多くなりました。親はどう対応すればいいでしょうか。

【A】
 親としては本当に心配ですね。
 小学生までは親と一緒に教会に行くことが多い二世・三世ですが、それは本人自身に動機があるからではありません。中学生になって自我が芽生えると、ふと立ち止まって考えることもあります。それに加えて何か行きたくないと思わせる出来事を経験すると、教会に行こうという気持ちをなくしてしまうのです。

 本誌102号に、天の父母様聖会の方相逸(パンサンイㇽ)・ 神日本大陸会長が真のお母様に報告された内容があります。

 「残念ながら、教会に来ていない二世もたくさんいます」と包み隠さずお伝えし……ました。
 じっと目を閉じて聞いておられたお母様は、「二世は神様の子です。大事にしなさい。一人たりとも失ってはなりません」と語られ、激励してくださいました。
(8〜9ページ)

 このようなお母様のご心情を背景に、牧会者や教会スタッフによる「青年二世圏への尋訪(シㇺバン、直接会いにいくこと)プロジェクト」が、2021年の夏から全国の家庭教会でスタートしました。

●礼拝への参加を信仰指導の中心に
 東埼玉教区鷲宮家庭教会の伊藤安昭教会長(当時)は、これと同様の取り組みを、成和学生(中高生)対象に行ってきました。同年の3月から5月にかけて、同教会の中高生とその父母、12家庭の面談を行いました。対象家庭から3または4家庭選び、そこに成和次長と父母会長を入れた会議をローテーションで何度か行いました。そこで成和学生教育の方針の説明と、各家庭の課題の共有や教育に対する要望の聴取などを行ったそうです。

 伊藤教会長は、成和学生に対する信仰指導の中心に、礼拝への参加を置いています。そこで会議では、「子女が礼拝に参加する理由、参加しない理由」を、父母たちに挙げてもらいました。(下記)

子女が礼拝に参加する理由、参加しない理由
●参加する理由→学生会が好き/仲良しの友達がいる/サッカーをする時間が設けられている

●参加しない理由→部活/アルバイト/子供自身が教会に行きたがらない/以前仲の良かった子(先輩)が、進学や親の転勤のため県外に引っ越した/礼拝後の交流会が嫌だ/病気のため/礼拝が10時半から始まるときもあれば、夕方に変更されることもあり、スケジュールが曖昧だから
(鷲宮家庭教会の場合)

 参加しない理由に対しては、教会が対応すべきことと、家庭に対応してほしいことに分けました。そのうえで、各家庭の実情を踏まえ、礼拝参加方法を、次の3つのうちどれにするのか考えてもらったのです。

① 子女自身が教会の礼拝に出席
②「成和会報」「中高生のためのWeb 礼拝」を活用し、礼拝の時間を設け感想文を提出
③ 家庭からオンラインで教会のオープン礼拝に参加

 子女の現状が②や③のケースの場合は、①に移行できるよう応援していきます。そのために、202012月から始まった「青年学生圏孝情礼拝」を活用しています。
 同礼拝の第1部は、未来人材局主催の同礼拝をオンラインで視聴し、第2部は所属する成和学生会で交流会を行います。2021年9月には、第7回の孝情礼拝が行われました。同じ成和部内の大学生や社会人の先輩が企画・運営を担っているため、①の中高生は②や③の二世圏への参加の呼びかけと交流に意識を集中できます。また、父母と成和部が相談し、誰が誰を礼拝に誘うのかを明確にしました。

 第2部の交流会は、最大限楽しくなるように工夫しています。誕生会、ケーキ作り(女子)、スポーツなど趣向を凝らし、これを楽しみにしている子女も多いのです。その結果、父母会と成和学生会が連携して中高生を礼拝につなげようという流れや雰囲気ができています。

●子女の心に寄り添う気持ちで
 今回の質問者のようなケースでは、まず子女の正直な気持ちを、父母が心を尽くして、優しく聞いてあげることが大切だと思います。その際、質問のキーワードが2つあります。

 いつから、何が原因で、礼拝に行きたくなくなったのかです。やりたくないことが教会の活動の中であるのか、自分が嫌だと思う人がいたのかなど、子女の心に寄り添い、目線を合わせて聞いてください。「礼拝に行かなくてはいけない」という結論ありきで子女に対するのではなく、寄り添う気持ちで聞きましょう。

 また、牧会者、スタッフには率直に相談し、事情をよく把握してもらう必要があります。そのうえで、礼拝参加の形態を、先述の3つのうちどれにするのかを決めてください。

 参加した礼拝では、どんなことを感じたのか、毎回親子で話し合い、恩恵や思いを共有してください。自然体で感想を聞き、子女の言葉に耳を傾けつつ、どんな表情やしぐさで答えているのかを見ていくと、「話したかったけれど、今まで話せなかった言葉」も聞こえてきます。ふだんから訓読会や家庭礼拝などの最後に感想を聞き共有するようにしていると、子女の心の内側のようすを感じ取ることができます。

 家庭礼拝ができない場合は、親子の心情関係を築き直すことから始めてください。牧会者、教会スタッフのアドバイスを真摯に受け止め、子女の願いは何かを祈り求めていきましょう。

 鷲宮家庭教会の取り組みで分かるように、今後は父母会の役割が重要になります。父母の皆さんが率直に意見を出し、それを父母会、成和学生会が共有し、検討、連携して、子女が喜んで参加できる礼拝を築き上げてほしいと思います。

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 このような内容が盛りだくさんの『祝福家庭』を、是非一度手にとってみてください。

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