2024.08.31 22:00
ほぼ5分で読める統一運動 15
小羊の婚宴
稲森 一郎
文鮮明(ムン・ソンミョン)師による聖書の奥義解明、すなわち、『原理講論』(日本語版は1967年10月2日発刊)に記された内容は、一般的に「統一原理」と称され、宣教師たちの活躍で世界各国に伝播(でんぱ)し、現在、世界に広く知られるところとなりました。
統一原理によれば、人間始祖であるアダムとエバは、蛇(天使長ルーシェル)の誘惑によって堕落しました。
その堕落の真意は、二人の結婚が、神の願われる結婚ではなく、ルーシェルの偽りの愛で結ばれた結婚となってしまったということです。
以後、人類はルーシェルの偽りの愛の主管圏内に堕(お)ちたまま、真の愛を失った罪悪歴史をつづるという結末に至ったのです。
一言で言えば、アダムとエバが犯した結婚の失敗(偽りの愛による結婚)という悲しい結果を背負い、人類は悠久の歴史をたどって今日に至っているということです。
人間始祖の堕落を蕩減復帰(罪を償って本来の在るべき姿を取り戻す)する使命で降臨されたイエスは、ユダヤ教とイスラエル民族の不信仰、およびヨセフ家庭とザカリヤ家庭の摂理的無知の故に、本来神が願った理想の結婚を果たすことができず、イエスは十字架の道へと追いやられました。
アダムとエバの堕落、イエスの十字架という人類史上の悲しい二大事件が起きたため、神は再臨主とその新婦となるべき女性を人類に送り、「小羊の婚宴」を挙行なさるであろうという約束を、「ヨハネの黙示録」(第19章6節~8節)に預言の言葉として書き記されました。
「わたしはまた、大群衆の声、多くの水の音、また激しい雷鳴のようなものを聞いた。それはこう言った、『ハレルヤ、全能者にして主なるわれらの神は、王なる支配者であられる。わたしたちは喜び楽しみ、神をあがめまつろう。小羊の婚姻の時がきて、花嫁はその用意をしたからである。彼女は、光り輝く、汚れのない麻布の衣を着ることを許された。この麻布の衣は、聖徒たちの正しい行いである』。」
この小羊の婚宴は、イエスの十字架以後2000年間にわたって、宇宙的な慶祝事として篤実なキリスト教徒たちが待望するものでした。
ここにおいて、文鮮明師の統一運動は、1960年を迎えるまでの苦難の歩みの中で、一つの到達点を迎えます。
それは人類救済の鍵となる歴史的な行事の遂行です。それがまさしく「小羊の婚宴」でした。
韓鶴子(ハン・ハクチャ)女史の誕生の背景を知るとそこには驚くべき証しがあります。
天一国経典『真の父母経』の135ページには次のようにあります。
「信仰生活に精進していた時、大母様(韓鶴子女史の母)が啓示を受けました。『洪唯一(ホン・ユイル)の娘よ、喜びなさい! お前の子が男の子であれば宇宙の王になり、女の子であれば宇宙の女王になるであろう』という啓示でした。この啓示を受けて結婚した当時、父の韓承運(ハン・スンウン)は26歳、大母様は21歳でした」
「私(お母様)が生まれた時、神様が地上に主を送る計画について啓示を受けた、許浩彬という方がいました。その許浩彬女史の母親が、私が6歳の時、『この方こそ、天の新婦になるだろう』と預言したのです」
運命づけられたかのように、天の独り子・文鮮明師と天の独り娘・韓鶴子女史は、1960年4月11日(陰暦3月16日)に「小羊の婚宴」(聖婚式)を挙行します。