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孝情を育む 34

 『ムーンワールド』で連載された、蝶野知徳・家庭教育部長による子育てに関するエッセーを毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 孝情を育む子女教育について、どんな姿勢で向き合えばいいのかを分かりやすく解説しています。

家庭教育部長 蝶野知徳

み言を伝えるポイント

 家庭での礼拝や訓読会などで、子女にみ言を伝える機会があると思いますが、父母の意識次第で教育効果は大きく変わります。
 今回は幼い時期の子女への、み言の伝え方のポイントについて紹介します。

①シンプルなみ言一つ
 まずは、み言の選択です。基本的に多くを伝えようとしないことです。説教やみ言の教訓的な要点を伝えるときは、子女の年齢に合わせて理解できそうなシンプルなもの一つだけにするのがいいでしょう。

②言葉より父母の実感
 さらに重要なことは、神様や中心人物の境遇や心情を伝えるとき、父母自身がその境地に入って心から語ることです。子女はみ言を聞きながらも、両親はこのみ言をどのように感じているのだろうか、どう感じるべき場面なのだろうかと見ているからです。それがみ言の理解にも大きな影響を与えることになります。

 特に伝えたいメッセージは、言葉で「教える」こと以上に、父母自身の「実感を見せる」ことが重要になります。

③み言で共感し合う父母の姿
 家庭では父母が中心です。例えば家庭礼拝などで、夫だけが熱心に語り、妻が横でただ見ているのは良くありません。家庭礼拝自体は、子女の教育のためだけに行うものではありません。み言を中心に夫婦が一つになるためのものでもあるのです。

 子女は、み言で共感し合っている両親の姿を見ていると、聞き方や感じ方がとても深くなり、み言が意味するものを悟るようになっていきます。その後、両親が互いに手を取って、その共感したみ言で祈り合う姿を見せるならば、素晴らしい教育になるでしょう。

子女を通して学び、親として成長
 父母の中には、言葉の意味を十分に理解できない幼い子女に、ただみ言を聞かせ続けて、それがどれだけ心に届くのかと疑問に感じる人もいるでしょう。

 み言を、子女に「聞かせよう」「教えよう」とだけするのではなく、父母自身が子女を通して学び、親としてより成長していくならば、その教育に大きな間違いはないといえます。その教育が正しいか正しくないかは、教育する側が、教えられる側と共に、あるいはそれ以上に学びを得ているかどうかでも分かるものです。

 今、家庭を中心とした信仰教育が重視されています。夫婦が一つになって子女と共に学び成長していきましょう。

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 次回は、「父母の愛の姿勢 三つのポイント」をお届けします。


◆「孝情を育む」が書籍になりました! タイトルは『子女と向き合うことは神様と向き合うこと』
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