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孝情を育む 33

 『ムーンワールド』で連載された、蝶野知徳・家庭教育部長による子育てに関するエッセーを毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 孝情を育む子女教育について、どんな姿勢で向き合えばいいのかを分かりやすく解説しています。

家庭教育部長 蝶野知徳

感性と信仰を育む

自然や万物に感謝する心
 自然や万物との関わりを通して、子女の感性を豊かにし、信仰を育てるという意識を持ってみましょう。

 動物や植物などを、子女に育てさせることはとても良いことだと思います。責任を持って世話をすることで、愛する喜びを体験できます。また、それを失ったときに感ずる悲しみ、痛みを通して、命の尊さを実感することもできるでしょう。そうなれば、人間をお創りになった神様が、私たちを大切に思う愛は、比較にならないほど大きいということを想像させることもできます。

 万物も大切に愛して使うと、万物と仲良くなれることを教えてあげましょう。子女の中には、親には言わなくても、万物の声が聞こえている子もいます。例えば、お弁当のおかずが「ぼくを先に食べて」としゃべったとか、お花が語りかけてきたとか、そういう話をしてきたら、無視したり、否定したりしないで聞いてあげてください。

 いつも踏まれながら頑張っている靴に「いつもありがとう」という感謝の心を持つとか、服に「きょうも、よろしくね」と言って着るとか、脱いだ時には「きょうも、ありがとう」と言ってなでてあげるとか、親自身がそういう生活をしていると、実感を持って自然に子女に伝えることができます。

 使えなくなったペンや鉛筆、服やカバンなどを捨てる時には「今までありがとう」と、心の中で声をかけてから捨てるようにします。使わなくなったものだけでなく、よく役に立ってくれた万物、愛着があったものなどを捨てる時にも、自然に還るものもあれば、新しい物に生まれ変わって新たに活躍できる道もあります。捨てることがかわいそうだと思わずに、感謝して捨ててあげたらいいと教えましょう。

 自然も空気も光も人間も、神様から始まったものです。神様の本性相と本形状の授受作用でつくられたもので、いわば、神様のご自身を材料として創造されたものです。子女に、「神様は、たったお一人でおられる時、私たちや地球をつくる材料はなかったの。だから神様はご自身の心と体で、この全てを創られたのよ。今、目に見えている自然の全ても神様からできているものなのよ」と伝えてみましょう。実際に自然の中で話してみてください。そうすれば、その感動が子女の心に伝わるはずです。

 自然の現象や動物、昆虫の生態にも神様の目的、み意(こころ)があることを、子女に図鑑を見せながら話し、考えさせましょう。自然の法則や習性自体に、神様の愛の目的があるということが伝わっていくと思います。

 教育は「全て教会で」とは思わず、生活の中で伝えられる神様を意識してみてください。子女は生活の中で感じたことを、礼拝の説教やみ言で整理できた時に、より理解を深めていくからです。

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 次回は、「み言を伝えるポイント」をお届けします。


◆「孝情を育む」が書籍になりました! タイトルは『子女と向き合うことは神様と向き合うこと』
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