2024.07.12 22:00
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第196回 立正佼成会とはどんな宗教ですか?
ナビゲーター:阿部美樹
皆さん、こんにちは!
今回は、「立正佼成会とはどんな宗教でしょうか?」という質問に対してお答えします。
「立正佼成会公式ポータルサイト」を参考にして説明しようと思います。
立正佼成会とは、開祖・庭野日敬(にっきょう)によって1938年に創立された仏教系(日蓮系)の新宗教です。
教典は法華三部経(ほっけさんぶきょう)であり、国内238教会、海外19カ国・地域に59拠点を持ち、約90万世帯の会員世帯数だといわれます。
1938年、庭野日敬開祖が長沼妙佼(みょうこう)脇祖(わきそ)と共に宗教結社「大日本立正交成會(だいにっぽんりっしょうこうせいかい)」を創立し、1948年に宗教法人「立正交成会」となり、多くの人々が「貧困と病いと争い」の苦しみから救われ、仏道に導かれていきました。
本尊として仰ぎ、礼拝する対象は「久遠実成大恩教主釈迦牟尼世尊(くおんじつじょうだいおんきょうしゅしゃかむにせそん)」、略して「久遠本仏(くおんほんぶつ)」といいます。
東京都杉並区にある本部大聖堂に安置されている本尊像は、この世に出現し、真理を説いた釈迦の姿と、法華経に説かれている久遠の本仏を一体化し、目に見える形で表したものです。
法華経には、全ての人は仏と同じように尊い存在であり、お互いに認め合い、支え合う「一乗(いちじょう)の精神」が説かれています。
会員の日々の行いとして「三つの基本信行(しんぎょう)」があります。
第一は朝夕に家庭で読経(どきょう)する「ご供養」です。
第二は、「導き、手どり、法座」です。
他の人に仏さまの教えを伝え、信仰の道に入るように勧める「導き」、喜びのある生き方ができるように働きかける「手どり」、仏さまの教えを学び、共感し、磨き合う「法座」です。
第三は、仏さまの教えを正しく会得し、教えに照らして自分を振り返り行動する「ご法の習学(ごほうのしゅうがく)」です。
立正佼成会の歩みは5段階の時代に区分ができます。
まず、創立された1938年~1957年の時期を教団では「方便教化(ほうべんきょうけ)の時代」と位置付けています。
当時の日本は第2次世界大戦の影響で多くの人々が苦しい生活を強いられ、現実的な救われを求めて修行に励んでいました。
次に、1958年~1977年を「真実顕現の時代」と呼んでいます。
宗教の役割は人生の悩みや苦しみを解決することだけでなく、教えによって人格の向上を目指し、幸せな家庭や平和な社会を築くことも大切です。
そのために、全国各教会で一斉に教学研修が開かれるなど、信仰の規範を内外に明確に示した時期です。
1960年には名称を「立正交成会」から「立正佼成会」に改めます。
1978年~1997年は「普門示現(ふもんじげん)の時代」と呼んでいます。
全国各地で「一食(いちじき)を捧(ささ)げる運動」や「アフリカへ毛布をおくる運動」、さらには「世界宗教者平和会議(WCRP)」を中心に平和活動を展開するなど、あらゆる人々に法華経の教えを伝え、世界平和の実現に貢献することを目標にした時期です。
また1991年には、庭野日鑛(にちこう)第二代会長が就任します。
1998年~2017年は「一人ひとりの心田(しんでん)を耕す」20年です。
1998年は教団創立60周年となり、総合目標として「一人ひとりの心田を耕す佼成会」を掲げました。
これは「無常」という仏教の真理(法)を認識し、いのちの尊さに目覚めていくことを意味します。その喜びを一人でも多くの人々に伝え、みんなが共に幸せを味わえる世界を築いていくことを目指しました。
1999年には、庭野日敬開祖が満92歳で入寂(にゅうじゃく)されます。
教団創立80周年を迎えた2018年~現在は、「惜しみなくつながる~菩薩を育てる苗代となる」を合言葉に、創立100年までの20年を人材育成に全力を尽くす期間です。
このような歩みの中で、個人・家庭の幸せから地域社会の繁栄、世界平和のために大きな功績を残してきたといえるのです。
【参考】
「立正佼成会公式ポータルサイト」