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心をのばす子育て 45

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「心をのばす子育て」を毎週土曜日配信(予定)でお届けします。
 子育ての本質を理解し、個性に合わせた教育で幸せな家庭を築くための教材としてぜひお読みください。

長瀬雅・著

(光言社・刊『心をのばす子育て7つのポイント』〈2002210日第2版発行〉より)

6、意の教育

■目指す人間像

 この「意」の時期までになされる教育は「情」と「知」ですが、その中で目指す人間像は愛情を土台とした人格者であり、行動面では正しいことを行う善なる人です。
 これらはすべての子供に共通して行う教育で、普遍的な教育ですが、「意」の時期では一人ひとり違う教育がなされます。専門教育を行います。それぞれの分野での才能を伸ばして天才児を育てるのです。天才とは天が与えた才能を発揮している人のことをいいます。

■夢(目的)をもった国際人に育てよう

 今の時代は「先見性と国際性」をもつ人間が必要とされる時代です。先見性とは未来を見つめて、時代を見極める判断力です。当然これは過去から現在、そして未来に流れるという歴史観が必要です。
 さらに、時の流れの中で自分がどう行動するかという判断力が先見性です。しかし、最近の若者は夢(目的)がなくなり、刹那(せつな)的で自己中心的な若者が増えています。

 もともと日本は島国であるうえに鎖国政策の影響があって、国際性の育ちにくい土壌がありました。そのような日本で「夢と先見性」をもち、「国際性」をもつためには、まず未来と世界を見つめる広い視野が必要です。
 しかし、広い視野といっても知識だけの視野では、夢を見つけられるとは限りません。学校でも歴史や世界の情勢など学びますが、その中で自分の夢を見つける子供はまれです。

 夢をもつということは、やりたいこと(目的)を見つけるということですから、何かをやろうという「主体性」が本人にあるかどうかが問題です。この主体性によって知識が夢に変わるのです。
 この主体性は幼児期の自発性が出発点ですから、夢は高校生になったらもてるのではなく、幼児期・小学生のころから徐々につくられてきます。

 また、主体性があれば自分の意見をはっきりと言えます。世界に出た時に日本人に最も足りない部分として現れるのが、何を考えているか分からない、自分の意見を言うことができないということです。

 さらに、知識を「先見性と国際性」に変えるためには、学校で欠けている部分を補充する必要があります。それは「歴史に学ぶこと」と「世界の人々の考えを理解すること」です。これが今の学校の教育に欠けているのです。

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 次回は、「歴史を学び、歴史に学ぶ」をお届けします。