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男女の違いと夫婦の関係 34

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「男女の違いと夫婦の関係」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
 あなたは知っていますか? 男性と女性の違い。同シリーズでは、男女の考え方の根本的違いを知り、夫婦がお互いを理解しあって、本当の「幸せ」をつかむためのキーポイントをお伝えします!

松本 雄司・著

(光言社・刊『男女の違いと夫婦の関係-ほめられたい夫 愛されたい妻-』〈2019年3月30日第4版発行〉より)

第二章 男と女の違いと結婚生活

2 相手に対する期待の違い

6)深い関心を持ってほしい

 妻は「誰よりも自分に深い関心を持ってほしい」という欲求があります。関心を持ってくれると愛されていると感じます。
 しかし、夫が仕事一本で妻に関心を持つ余裕がなくなることがあります。特に、30代、40代に入った男性は会社でも実務の中心ポストに就くようになり、仕事に忙殺されることが少なくありません。現場の責任者の立場に立ち、朝から晩まで仕事、仕事、仕事。土日すらも出勤する。それも家族のためだと思って夫は働いていますが、毎日仕事のことで頭がいっぱいです。
 そのときに、妻は非常に寂しい立場に置かれます。放置され、満たされないで、心がさまようようになります。「夫は自分に愛情があるのだろうか」「この人と結婚したのが本当に良かったんだろうか」「私の人生はただの飯炊きおばさんなのか」と、どうしようもない空虚感に襲われるのです。そのとき、夫婦の間に危機が訪れます。

 中年期に夫婦の情に亀裂が生じてしまうのは、この時期に二人の情関係がうまくいかなくなって、冷え切ってしまうというケースです。

 夫は家にもあまり帰ってこない。全然自分を構ってくれない。虚しい。独身のときは「世界は私のために動いている」というくらいに感じるのですが、40代を超えると体力や容色にも衰えを感じ、更年期障害などにも襲われる。そんなとき女性はどう感じているかというと、「ああ、自分ももう若くないんだ。ああ、自分の人生は何なのか」と考え始めます。
 夫との生活が充実しているわけでもない。子供も大きくなれば自分の思いどおりにならない。結局は独り立ちしていく。「ただ毎日毎日炊事・洗濯・掃除・片づけに追われている自分の人生は何なのか?」と深い憂愁(ゆうしゅう)にふけるようになるのです。

 人として生まれてきた以上、何か自分の中に価値を見出したいのです。夫は仕事の中に価値を見出してやっている、自分も何か生きている価値を感じたい。生き甲斐を感じたい。そういうときに女性は、自分の価値を実現できるものを探さなければなりません。

 そしてそのことに対して、夫はよく理解し配慮してあげなければなりません。そうしないと、どうなりますか? それこそ昼下がりのテレビドラマのようなことが起こりかねません。

 結婚してしばらくは良かったが、夫は仕事ばかりで冷たい夫になって、自分を愛してくれない。本当にこの人と結婚して正解だったのか……。そういうとき、街でぱったり昔思いを寄せた人に会った。「お久しぶり。お茶でも飲みましょうか」となって、愚痴をいろいろ聞いてもらう。夫よりもずっと親切に優しく聞いてくれる。この人こそ私の「運命の人」だったのではないか。こうして彼女は妻と女の間で悩むのであった……というような内容。それが女性の心をとらえてヒットするのです。実行に移す、移さないは別にして、「うーん、そうだ」とドラマの主人公に自分の思いが重なってくるのです。

 数年前、『失楽園』という小説が映画化され話題を呼びました。邦画界では久々の観客動員で、200万人を超える人々が映画館を埋めましたが、ほとんどが中年の婦人でした。

 最近、主婦の「婚外恋愛」や「プチ不倫」が増えています。社会現象の一つです。本気で離婚しようという気はさらさらないのですが、「どうしようもない寂しさを何かで埋めたい」「愛を実感したい」「満たされたい」という感情があるのです。ふっと、自分を受け止めてくれる「別の誰か」を求めているのです。

 つい先日事件があり、主婦が殺されました。それはインターネットで知り合い「メル友」になった男性と付き合うようになり、やがて深い関係となってしまい、別れ話がこじれて刺されたというものです。
 なんと男性はまだ高校生で、いわゆる「インターネット不倫」の悲しい結末でした。妻の犯した間違いではありますが、責任の一端は夫にもあります。

 そういうことも決して人ごとではありません。奥さんをほったらかしにして、いつまでも寂しい思いをさせていたら、何が起こるか分からない時代なのです。

 また、夫が仕事一本になるような時期は、女性は何か生き甲斐と自分の価値を発揮できる道を探してその時期を越えていくことが賢明です。では、このような時期を賢明に乗り越えた世界の多くの妻たちは、一体どのようなことをしてそれを乗り越えたのでしょうか。
 アンケート調査によると三つの分野が上がってきました。第一は「社会奉仕活動(ボランティア)」、第二は「宗教的活動」、第三は「趣味活動」です。そういう活動に熱意を注ぐことによって自分の人生に意義と価値を見出し、中年の時期を張り合いを持って、喜びを感じながら越えていったというのです。
 こういうものを持っていないと、アルコールに深入りして健康を害したり、夫婦の関係が冷え込んで破綻したりといったことになることも少なくありません。

 これは男性がよく理解してあげないといけない女性の心の世界です。

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 次回は、「愛情表現をはっきりと」をお届けします。

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◆松本雄司氏の著作はコチラから

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