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青少年事情と教育を考える 269
今の13歳は父母とよく会話する?

ナビゲーター:中田 孝誠

 前回は厚生労働省の「第13回21世紀出生児縦断調査」から、13歳の子供たちの「結婚」に対する意識を取り上げました。
 もう一つ、同じ調査から取り上げたいと思います。

 それは「親子の会話」についてです。
 回答したのは2010年生まれの13歳、学年では中学1年生の子供たち約2万人です。

 例えば、父母と会話する(「よくする」「ときどきする」)内容別に見ると、「学校のできごとについて」が父61.4%、母89.7%で最も高く、「友達のことについて」が父53.0%、母85.4%、「勉強や成績のことについて」父53.0%、母74.3%、「社会のできごとやニュースについて」が父42.8%、母54.3%でした。

 これを2001年生まれの子供たち(年齢は同じく13歳の時)と比較すると、父母と会話しているという割合がおおむね高くなっています。
 特に、父親と「友達」「学校」のことを話す割合が10ポイント近く上昇したのは大きな変化でした。

 もちろん、このデータだけでは、親子の会話が増えているとまでは言い切れないかもしれません。

 文部科学省の調査では、親子が触れ合う時間は平日で「1〜2時間未満」が28%、「1時間未満」「2〜3時間未満」が21%です。
 休日は「4時間以上」が6割近くです。これ自体はここ数年、大きくは変わっていません(文科省「令和2年度『家庭教育の総合的推進に関する調査研究』」)。

 それでも、子供にとって身近な話題で父母、特に父親と話すことができているとすれば、子供の成長にとって大切なことです。
 学術的な研究では、子供にとって親や保育者との会話(親からの話しかけ)は、思いやりや学力などを育てる上で大切であるとされています(『3000万語の格差』明石書店)。
 こうした点は、親が変わらず意識すべきことでしょう。