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孝情を育む 27

 『ムーンワールド』で連載された、蝶野知徳・家庭教育部長による子育てに関するエッセーを毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 孝情を育む子女教育について、どんな姿勢で向き合えばいいのかを分かりやすく解説しています。

家庭教育部長 蝶野知徳

家に子供の友達を招く

友達関係からも自分について学ぶ
 子供にとって友達との関係は、親との関係と同様に大切です。縦的な関係だけでなく、横的な関係を通しても自分という存在について学んでいくようになるからです。そのために友達と一緒にいることが、とても楽しいと感じる体験をさせてあげることが必要です。

 自分の子供が友達と遊ぶことが苦手で、友達がたくさん集まる場で輪の中に入れないようであったら、どうでしょうか? そんなときは無理に溶け込ませようとするよりも、個々の関係を築ける場を準備してあげるのも一案です。例えば、友達を家に招いて、そこで一緒に遊ばせてみてはどうでしょう。

友達を選ばず、誰でも迎え入れる
 子供の友達を家に招くということには大きな意味があります。

 ただ、誤ってはいけないのは、親が友達を選んでしまうことです。子供が連れてくる友達は、どんな子供でも、分け隔てなく迎え入れるという姿勢が前提になければなりません。“自分の友達を誰でも大切にしてくれるお母さん”と子供に伝わることが重要だからです。

 家で子供たちを遊ばせることで、自分の子供が友達と、どのような関係性を築いているのかを、実際に見ることもできます。親の知らなかった子供の一面を見ることもできるでしょう。気になったことがあれば、あとで関心を持って聞いてあげることもできます。

 また、子供にとっては、お母さんの関心のもとで遊んでいるので、安心感があります。自分の土俵が友達との遊び場になっているという喜びもあるでしょう。

 お母さんが、出してくれた食べ物なども、友達のために準備してくれたのですから、日頃自分を愛してくれる以上の愛を、お母さんから感じることでしょう。

 一度、招かれた友達であれば、外で子供と遊ぶときに子供だけでなく、家に招いて尽くしてくれた親の存在を忘れないので、交友関係に深みが出て、より良い関係を築きやすくなります。

子供の成長を助ける環境づくり
 子供が成長する過程で、親に見せる姿と友達に見せる姿に大きな開きがでてきた場合、親の関心が行き届かない面が育っているかもしれません。ふだんから、家に子供の友達を招く習慣をつくることは、さまざまな点でプラスになる、素晴らしいことだと思います。

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 次回は、「男の子を育てるポイント」をお届けします。


◆「孝情を育む」が書籍になりました! タイトルは『子女と向き合うことは神様と向き合うこと』
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