2024.06.07 12:00
孝情を育む 26
『ムーンワールド』で連載された、蝶野知徳・家庭教育部長による子育てに関するエッセーを毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
孝情を育む子女教育について、どんな姿勢で向き合えばいいのかを分かりやすく解説しています。
家庭教育部長 蝶野知徳
親を信じている子女
子女が確認したい2つのこと
子女は、「育てる」ものではなくて、「育つ」ものだといいます。子女には素晴らしい本性があるので、驚くような成長を親に見せることがあります。
本性は親が与えたのではなく、神様から与えられたものです。子女の本性を信じることは、神様を信じることと同じです。子女の中に全てがあるので、それを本人が気づくように助けてあげるのが、親の役割です。
本性には「信じる」力があり、それは愛の属性でもあります。子女は自分の両親がどのような親であっても信じており、自分と神様を結んでいる貴重な存在であることを知っています。
しかし、親を通してその体験を具体的に味わうことができないと感じるときもあります。そんなときの子女は、さまざまな態度や表現で確認しようとしてきます。親はそのサインに気づかずに困惑することもあります。子女はただ、信じられる愛、真実の心が見たいだけなのです。それさえ確認できれば、その安心感という力を持ち、その力に神様が関与し、原理の力でぐんぐんと引っ張り上げることができるのです。
子女が体験し確認しておきたいと思うことは、多くはありません。実にシンプルで、それはたった2つのことです。
1つは「親が真実に私を愛していること」であり、もう1つは「自分は神様の子女であること」です。この確証を得るための体験だけを本性は願っているのです。
神様と子女の願いに心を満たして
神様は、私たち人間の良心の存在と願いを信じてくださったので、神様の子女として復帰されてきました。創造においても復帰においても、結局は、信じるようになり、扱うようになるのです。同様に、私たち親も、まず子女の神的価値を信じて投入すべきです。
ただ、心が下がって力が出ないときには精誠を尽くし切れないことがあります。そんなときは、子女の本性の願いを忘れてしまっているからかもしれませんし、神様の子女であることを忘れてしまっているのかもしれません。結局は、私と神様との関係になるのです。
神様はご自身の子女を、私を通して育てようとされるお方です。“私”の思いに満ちるのではなく、常に神様の願いと、子女の本性の願いに心を満たしながら、子女を見つめ育んでいくことが大切になるでしょう。
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次回は、「家に子供の友達を招く」をお届けします。